【2026年最新】ナフサ不足でトイレが届かない!?国住指第38号の完了検査要件と「ローン実行後」のリアルな生活対策

  • URLをコピーしました!

※こちらの記事は広告を利用しています

現在、世界的なナフサ不足などを背景に、トイレやキッチンといった住宅設備の納期遅延が深刻化しています。家そのものは完成しているのに、設備が届かないために「お引渡しができない」「施主様の住宅ローンが実行されない」という危機に直面している現場も多いのではないでしょうか。

こうした事態を受け、国土交通省から令和8年(2026年)4月13日付で「完了検査の柔軟な運用について(国住指第38号)」という重要な事務連絡が発出されました。

この特例措置は工務店や施主様にとっての救済策となりますが、手放しで喜べることばかりではありません。融資が実行される一方で、「設備がない家にどうやって暮らすのか」という現実的な問題が残るからです。

今回は、この特例措置の実務的な手続きと、施主様に誠実に対応するために工務店が知っておくべき注意点について解説します。
記事のポイント
  • ナフサショックとは
  • 住宅設備は今後どうなる?
  • トイレ・システムバス等主要メーカーの対応まとめ
  • 完了検査の緩和措置のメリット・デメリット
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)


建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・HP作成・IT土方まで何でもやっています。
小学生二児の母。事務作業が少しでも楽になる情報を発信しながら、事務代行サポートも行っています。

コドじむは、面倒な事務の丸投げサポートをはじめました

  •  安全書類を作成する時間がない!
  •  グリーンサイトが分からない!
  •  建設キャリアアップシステムって何?
  •  事務作業のせいで本業に集中できない!

そんな方は、是非コドじむまでお問合せください。
無駄を一切省いて、LINEで依頼→納品まで可能です!

\ 簡単1分無料WEB相談 /

\ 料金サービスを詳しく見る /

目次

国交省の特例「完了検査の柔軟な運用」の概要

  1. 建築基準法の原則:トイレがないと「完了検査」は通らない
  2. 中東情勢による設備不足と、地域の工務店に届くまでのタイムラグ
  3. 工務店や施主様を救う、国交省の「不可抗力」への緩和措置
  4. 「ローン実行」の先にある「生活」の課題をどう解決するか

建築基準法の原則:トイレがないと「完了検査」は通らない

日本の建築基準法では、トイレ、システムキッチン、浴室といった「生活に必須な設備」が設置されていない建物は、原則として完了検査に合格することができません。これらが揃って初めて、公的に「人が安全・衛生的に暮らせる建築物」として認められるためです。

本来なら当然であるこのルールが、今の異常な設備不足の状況下では、施主様や工務店にとって非常に大きな壁となっています。

なぜなら、建物自体は立派に完成しているのに、「便器が1台届かない」という理由だけで完了検査を受けられず、検査済証が出ないために住宅ローンの実行やお引渡し、引っ越しなどの全スケジュールが直前でストップしてしまうからです。

アパートの退去期限が迫っている施主様にとっては、まさに死活問題と言えます。また、お引渡しが止まれば、工務店にとっても残金の受け取りが遅れるため、資金繰りに影響する重大な問題です。

中東情勢による設備不足と、地域の工務店に届くまでのタイムラグ

しかし現在、現場を取り巻く環境は予断を許さない状況が続いています。中東情勢の緊迫化に伴うナフサ(プラスチックの原材料)などの供給不足を受け、住宅設備大手のTOTOが一時的に「新規受注の受付停止」を発表したニュースは、業界内だけでなく一般の施主様の間でも大きな不安を呼びました。

その後、同社の4月15日付のお知らせにより「4月20日(月)から段階的に新規受注の受付を再開する」との声明が出され、ひとまずは最悪の事態を脱したかのように思われます。しかし、実務の現場における影響はそう単純ではありません。
生産や流通が再開したとしても、まずは大量のバックオーダーを抱える大手ハウスメーカーや、大手の商社への供給が優先されるのが市場の現実です。そのため、地域の工務店やリフォーム会社の現場まで実際に製品が届くようになるには、どうしても無視できないタイムラグが発生してしまいます。

現に市場では、「リフォームの予定を立てていたのに延期せざるを得なくなった」「いつ工事ができるのか見通しが立たない」といった施主様の困惑の声が今も多く聞かれます。

さらに、中東情勢そのものが根本的に解決したわけではないため、「せっかく再開した受注が、またいつ停止してしまうか分からない」というリスクを常に抱えながら、日々の進捗管理を行わなければならないのが現状です。

工務店や施主様を救う、国交省の「不可抗力」への緩和措置

出典:国土交通省「完了検査の柔軟な運用について」
こうした設備不足は、工務店の発注ミスなどではなく、企業努力だけではどうにもできない完全な「不可抗力」です。

「誰の責任でもない社会情勢によって、お引渡しが止まり、施主様の資金計画が破綻してしまうのはあまりにも不利益が大きい」「施工する企業のキャッシュフローが滞るのも経済的にマズイ」として、国土交通省は臨時の救済措置を打ち出しました。

一定の条件を満たしていれば、設備が未設置の状態であっても「検査済証」を交付して差し支えないとする、運用の緩和です。

国土交通省が発出した事務連絡には、以下のように明記されています。

また、一部の設備等が未設置の状態で工事が完了する場合の取扱いについては、「完了検査の円滑な実施について」(令和2年2月27日付国住指第3960 号)(別添)で通知した運用が参考になることを申し添えます。

国住指第 38 号(令和8年4月13日)より引用

住宅の建築工事の場合、確認済証の交付を受けた内容から一部の設備等がないことをもって、 「住宅」として工事が完了していないといった扱いをすることのないよう柔軟に対応してください。

国住指 第3960号(令和2年2月27日)より引用
この特例を正しく活用することで、設備未設置の段階であっても住宅ローンを実行させ、予定通りお引渡し(鍵の譲渡)まで手続きを進めることが可能になります。

特例が認められるため条件

変更内容が建築基準法施行規則第3条の2に規定する「軽微な変更」に該当する場合は、計画変更の手続きを行うことなく完了検査に進むことができます。

実務上の注意点として、完了検査申請書の第三面にある【10.確認以降の軽微な変更の概要】欄に変更内容がしっかりと記載されていることが必要です。検査機関はこれを確認した上で、速やかに完了検査を実施することとなっています。

建築資材の変更が建築基準法施行規則第3条の2に規定する軽微な変更に該当しない場合には、計画変更の手続をする必要があります。また、申請者に対しては時間的余裕をもって対応するよう周知しなければなりません。

「ローン実行」の先にある「生活」の課題をどう解決するか

この特例によって検査済証が交付されれば、住宅ローンは予定通り実行されます。「資金計画が破綻するかもしれない」「金利が上がってしまうかもしれない」という最大の危機を回避できる点は、施主様にとって非常に大きなお守りとなります。

しかし、ここで一つ、どうしても目を背けられない現実があります。それは、「書類上の検査に通ること」と「今日からそこで普通に暮らせる生活空間になること」は、まったくの別問題だということです。

「住宅ローンが実行されて、無事に鍵も受け取った。でも、家の中にトイレがない……」

融資というお金の手続きが解決しても、メーカーから本物の設備が届くまでの間、施主様ご家族が不自由な生活を強いられることに変わりはありません。「トイレのない家に、どうやって家族で住めばいいのか」という問題は、これから新生活を始める施主様にとって、これ以上ないほど切実な不安のはずです。
事務員たなか

私は2022年に新築住宅を購入しましたが、コロナの影響で照明器具が入荷できず、引き渡しのときはリビングのダイニングライトがついていない状態でした。

事務員たなか

1か月だけでしたが、非常に不便な思いをしたので、
トイレ等の衛生設備となるとさらに大変かもしれません。

もし、この特例を使ってお引渡しを前に進める場合、施主様が工務店側と事前に必ず確認し、すり合わせておくべき「3つの現実的な生活対策」があります。

ウォシュレットなしの「普通の便座」を一時的に設置したケース

本命の多機能トイレが届くまでの数ヶ月間、工務店が手配した一時的な「普通の便座」を室内に設置し、水だけは普通に流せる状態にしてお引渡しを行いました。電気の温水洗浄や暖房便座は使えませんが、「家の中でいつも通り水洗トイレが使える」ため、生活ストレスは最小限に抑えられます。

屋外の工事用「仮設トイレ」をそのまま残して生活したケース

室内にどうしても便器を設置できない場合の最終手段として、建築中に職人さんが使っていた敷地内の「仮設トイレ(プレハブ式の簡易トイレ)」をお引渡し後もそのまま残してもらい、それを使う方法です。

近隣施設の利用を前提に、工務店から「生活費用の補助」を受けたケース

トイレだけでなく、エコキュート(給湯器)やシステムキッチンも同時に遅れており、お風呂や料理も満足にできないような最悪のケースも過去には存在しました。近くにあるお施主様の実家を頼ったり、毎日家族で銭湯や近隣施設に通ったりすることを前提にお引渡しを行いました。それを工務店側がサポートするという例もあったようです。

総括:【2026年最新】ナフサ不足でトイレが届かない!?国住指第38号の完了検査要件と「ローン実行後」のリアルな生活対策

資材不足という、業界全体が厳しい逆風の中にいる今だからこそ、国交省の「国住指第38号」は非常に強力な味方になります。しかし、これはあくまで「お引渡しとお金の手続きを前に進めるための道具」であり、施主様の生活を守るためには、もう一歩踏み込んだ誠実な対応が必要です。

私たち建築事務の役割は、最新の法令を正しくキャッチアップして手続きをコントロールすること。そして、営業や現場のメンバーと情報を共有し、施主様の不安に寄り添った対応を会社全体でカタチにすることです。

イレギュラーなトラブルの時こそ、正確な事務処理と、裏表のない誠実な説明で、施主様との強い信頼関係を築いていきましょう。

今日も一日、ご安全に!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次