【必見】登録基幹技能者のメリットとは?概要や配置義務・資格一覧まで徹底解説

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建設業において、「登録基幹技能者」という資格を耳にしたことはあるでしょうか?高度な技能を持ち、現場の指導等の役割を担う技能者が取得できる資格であり、技術力や管理能力を証明するものです。

「登録基幹技能者の資格を取るとどんなメリットがあるのか?」「現場に配置しなければならない義務はあるのか?」「資格を取得するとどんな評価が得られるのか?」こうした疑問を持つ方も多いかと思います。

本記事では、登録基幹技能者の基本的な概要から、取得することによる具体的なメリット、資格一覧、さらには建設業における配置義務について詳しく解説していきます。
記事のポイント
  • 登録基幹技能者とは
  • 登録基幹技能者の配置義務はあるか
  • 登録基幹技能者のメリット
  • CCUSでの位置づけ
  • 登録基幹技能者一覧
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)


建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
目次

登録基幹技能者について

  1. 登録基幹技能者とは?
  2. 登録基幹技能者になるには
  3. 登録基幹技能者の配置義務はある?
  4. 登録基幹技能者のメリットとは?
  5. 登録基幹技能者資格は国家資格?登録基幹技能者一覧

登録基幹技能者とは?

登録基幹技能者とは、建設現場において高度な技能を持ち、現場の指導や管理業務を担う技能者を指します。国土交通大臣が認める資格制度の一つで、単なる技能労働者ではなく、いわゆる上長職長の立場で、現場の統括や効率的に作業を進めるためのマネジメントを行います。
登録基幹技能者の役割
  • 現場の状況に応じた施工方法の提案や調整
  • 作業の効率化を図るための技能者の適切な配置、作業方法や手順の構成
  • 生産グループ内の技能者に対する施工に関する指示・指導
  • 前工程・後工程を考慮した他職長との連携・調整
基幹技能者制度は、平成8年に専門工事業団体による民間資格としてスタートし、平成20年1月に建設業法施行規則が改正され、新たに「登録基幹技能者制度」として位置付けられることになりました。

さらに、平成20年4月以降に国土交通大臣が登録した機関が実施する「登録基幹技能者講習」を修了した者は、正式な登録基幹技能者として認められるようになりました。これにより、資格の信頼性が向上し、経営事項審査でも評価の対象となるなど、建設業界における重要な役職としての位置づけが強まっています。

資格を取得することで、単なる作業員ではなく、管理能力を備えた「現場のリーダー」としての評価を受け、待遇改善やキャリアアップにもつながるため、近年では取得を推奨する企業も増えています。

登録基幹技能者になるには

登録基幹技能者になるためには、登録基幹技能者講習を受講し、修了試験に合格することが必要です。ただし、この講習を受講するためには、以下の3つの要件を満たしていることが求められます。
登録機関技能者講習の受講要件
  • 実務経験:基幹的な役割を担う職種で10年以上の実務経験が必要。
  • 職長経験:実務経験のうち、3年以上は職長としての経験が求められる。
  • 関連資格の保有:職種に応じた最上位の技能資格や技術資格(例:登録電気工事基幹技能者なら第一種電気工事士)が必要。
これらの要件をクリアしたうえで、国土交通大臣が登録した講習機関が実施する講習を受講し、修了試験に合格すれば、登録基幹技能者として認定されます。

登録基幹技能者の配置義務はある?

登録基幹技能者は、現場に必ず配置しなければならない義務はありません。しかし、登録基幹技能者がいることで、施工能力や管理能力の証明になるため、発注者や元請け企業からの評価が高まるというメリットがあります。

そのため、必須ではないものの、配置することで企業や現場の信頼性が向上するため、取得を推奨している企業や現場もあります。
事務員たなか

監理技術者や主任技術者とは、また別物ですね。

一定の条件で配置義務がある主任技術者や監理技術者について詳しくはコチラ!

配置義務はありませんが、元請企業によって再下請負通知書に記載する欄が設けられている場合もありますので、注意してください。

登録基幹技能者のメリットとは?

登録基幹技能者は、建設業界において高度な技能と管理能力を持つ技術者を認定する資格です。単なる作業員ではなく、施工の品質管理や工程管理、現場全体のマネジメントを担うことが求められます。

この資格を取得することで、公共工事や経営事項審査(経審)での評価向上、技能者としての待遇改善、企業の信頼性アップといった多くのメリットが得られます。では、具体的にどのような利点があるのか、一つずつ詳しく解説していきます。
登録基幹技能者のメリット
  • 経営審で加点対象となり、公共工事での評価が高まる
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)でゴールドカードとなる
  • 現場の主任技術者になれる
  • 一般建設業許可における営業所の専任技術者になれる
  • 技能者の待遇改善・キャリアアップ
  • 企業のイメージアップにつながる

経営審で加点対象となり、公共工事での評価が高まる

登録基幹技能者は、経営事項審査(経営審)において技術職員数の評価項目で3点の加点対象となります。経営事項審査とは、建設業者が公共工事の入札に参加する際に求められる審査制度で、企業の経営状況や技術力、安全管理体制などを総合的に評価するものです。

公共工事の入札では総合評価落札方式が広く採用されており、提示価格だけでなく企業の技術力や実績も評価基準となるため、経審の点数は非常に重要です。登録基幹技能者は、2級技術者や1級技能士の2点を上回る3点の加点が得られるため、技術力の証明として有利に働き、企業の競争力を高める要素となります。この加点を活かすことで、公共工事の受注機会を増やし、より優位な立場で入札に臨むことが可能となります。
保有資格点数
技能士2級同等有資格者+実務経験1点
技術者資格2級または技能士1級2点
登録機関技能者3点
技術者資格1級4点
1級監理受講者5点
(経営事項審査の客観的事項)
第十八条の三 
2 前項に規定する技術的能力は、次の各号に掲げる事項により評価することにより審査するものとする。
一 法第七条第二号イ、ロ若しくはハ又は法第十五条第二号イ、ロ若しくはハに該当する者の数
二 工事現場において基幹的な役割を担うために必要な技能に関する講習であつて、次条から第十八条の六までの規定により国土交通大臣の登録を受けたもの(以下「登録基幹技能者講習」という。)を修了した者の数
三 前号に掲げる者に準ずる者として国土交通大臣が定める者の数
四 元請完成工事高
建設業法施行規則 第十八条の三の2

建設キャリアアップシステム(CCUS)でゴールドカードとなる

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業界における技能者の能力や経験を適正に評価し、管理するための制度です。技能者ごとにICカードが発行され、「レベル1~4」の等級に分けて評価されます。このシステムを活用することで、技能者のスキルや経験が客観的に証明され、キャリア形成や待遇改善につながるメリットがあります。

登録基幹技能者は、CCUSの「レベル4(ゴールドカード)」に該当します。これは、単に技能が優れているだけでなく、「高度なマネジメント能力を有する技能者」として認定されるものです。つまり、現場での施工だけでなく、工程管理や人材育成など、現場全体の運営に関与できるリーダーとしての役割を果たすことが期待されます。

令和4年時点で、CCUSのレベル4(ゴールドカード)を取得している技能者は45,537人と報告されており、建設業界において高い評価を受ける資格の一つとなっています。今後も、建設技能者の適正な評価を促進するため、CCUSの活用が広がることが予想されます。

現場の主任技術者になれる

登録基幹技能者は、一定の条件を満たすことで建設工事現場の主任技術者として配置可能です。

国土交通省は、専門工事に関する実務経験年数が主任技術者と同等以上と認められる登録基幹技能者の資格について、建設業法に基づく主任技術者要件として認定しています。これにより、登録基幹技能者講習を修了し、許可を受けようとする建設業の種類に応じて国土交通大臣が認めた者は、主任技術者の要件を満たすものとして扱われます。
第七条の三 法第七条第二号ハの規定により、同号イ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものとして国土交通大臣が認定する者は、次に掲げる者とする。
・・・
三 前二号に掲げる者のほか、第十八条の三第二項第二号に規定する登録基幹技能者講習(許可を受けようとする建設業の種類に応じ、国土交通大臣が認めるものに限る。)を修了した者
建設業法施行規則 第七条の3の3
通常、未資格者を主任技術者を配置する際には、工事経験や実務経験を証明するために書面での確認が必要ですが、登録基幹技能者として認定されている場合、この確認作業を省略できるというメリットもあります。これにより、企業側の負担が軽減され、スムーズな人材配置が可能になります。

一般建設業許可における営業所の専任技術者になれる

登録基幹技能者は、一般建設業許可における営業所の専任技術者として配置可能です。専任技術者とは、建設業許可を受ける際の要件の一つであり、営業所に常勤し、建設工事の技術的な管理を行う者を指します。

一般許可において、専任技術者となるには、①一定の資格を有する者、②10年以上の実務経験を有する者、③所定学科を卒業後、3年以上または5年以上の実務経験を有する者のいずれかを満たす必要があります。この「一定の資格」には登録基幹技能者講習修了者も含まれるため、資格取得によって専任技術者要件を満たすことができます。

技能者の待遇改善・キャリアアップ

登録基幹技能者は、高度な技能と管理能力を認められた技術者であり、資格取得により企業内での評価が向上します。これにより、昇給や役職の昇格など待遇面で優遇される可能性が高まり、安定したキャリア形成が期待できるメリットがあります。

また、慢性的な人手不足・職人不足が進む建設業界において、主任技術者になりうる存在は非常に貴重です。登録基幹技能者は、施工管理や工程調整にも関与できるため、現場での責任あるポジションを担う機会が増え、さらに上位資格(施工管理技士など)へのステップアップにつながる可能性が高いです。今後ますます重要性を増す資格といえます。

企業のイメージアップにつながる

登録基幹技能者を有する企業は、高度な技術力と優れた人材育成体制を持つと評価され、取引先や顧客からの信頼度が向上します。これにより、他社との差別化が図れ、競争力の強化に繋がります。 
以上のように、登録基幹技能者の資格取得は、個人のキャリアアップだけでなく、企業全体の評価向上や業務効率化にも大きく寄与します。建設業界での更なる発展を目指すために、登録基幹技能者の活用を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

登録基幹技能者資格は国家資格?登録基幹技能者一覧

登録基幹技能者資格は国家資格ではありません。国土交通省が提唱していますが、各職種の業界団体などで認定している資格です。一定の技能・経験を持つ技術者が対象となり、専門工事ごとに資格が設定されています。以下に、登録基幹技能者の一覧を紹介します。
登録基幹技能者名職種
登録電気工事基幹技能者電気工事業、電気通信工事業
登録橋梁基幹技能者とび・土工工事業、鋼構造物工事業
登録造園基幹技能者造園工事業
登録コンクリート圧送基幹技能者とび・土工工事業
登録防水基幹技能者防水工事業
登録トンネル基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業
登録建設塗装基幹技能者塗装工事業
登録左官基幹技能者左官工事業
登録機械土工基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業
登録海上起重基幹技能者土木工事業、しゅんせつ工事業
登録プレストレスト・コンクリート工事基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業、鉄筋工事業
登録鉄筋基幹技能者鉄筋工事業
登録圧接基幹技能者鉄筋工事業
登録型枠基幹技能者大工工事業
登録配管基幹技能者管工事業
登録鳶・土工基幹技能者とび・土工工事業
登録切断穿孔基幹技能者とび・土工工事業
登録内装仕上工事基幹技能者内装仕上工事業
登録サッシ・カーテンウォール基幹技能者建具工事業
登録エクステリア基幹技能者とび・土工工事業、石工事業、
タイル・れんが・ブロック工事業
登録建築板金基幹技能者屋根工事業、板金工事業
登録外壁仕上基幹技能者左官工事業、塗装工事業、防水工事業
登録ダクト基幹技能者管工事業
登録保温保冷基幹技能者熱絶縁工事業
登録グラウト基幹技能者とび・土工工事業
登録冷凍空調基幹技能者管工事業
登録運動施設基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業
ほ装工事業、造園工事業
登録基礎工基幹技能者とび・土工工事業
登録タイル張り基幹技能者タイル・れんが・ブロック工事業
登録標識・路面標示基幹技能者とび・土工工事業、塗装工事業
登録消火設備基幹技能者消防施設工事業
登録建築大工基幹技能者大工工事業、建築工事業
登録硝子工事基幹技能者ガラス工事業
登録ALC基幹技能者タイル・れんが・ブロック工事業
登録土工基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業
登録ウレタン断熱基幹技能者熱絶縁工事業
登録発破・破砕基幹技能者とび・土工工事業
登録建築測量基幹技能者大工工事業
登録解体基幹技能者解体工事業
登録圧入工基幹技能者とび・土工工事業
登録送電線工事基幹技能者電気工事業、とび・土工工事業
登録さく井基幹技能者さく井工事業
登録あと施工アンカー基幹技能者とび・土工工事業
登録計装基幹技能者電気工事業、管工事業、機械器具設置工事業、電気通信工事業
登録土質改良基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業
登録都市トンネル基幹技能者土木工事業、とび・土工工事業
登録潜函基幹技能者とび・土工工事業
※参考:一般財団法人建設業振興基金「登録基幹技能者」

総括:【必見】登録基幹技能者のメリットとは?概要や配置義務・資格一覧まで徹底解説

登録基幹技能者は、建設現場において高度な技能とマネジメント能力を持つ技術者を認定する制度であり、現場の指導・管理を担う重要な存在です。

この資格を取得することで、経営事項審査(経審)で加点が得られ、公共工事の受注競争で有利になるほか、建設キャリアアップシステム(CCUS)においてもゴールドカード(レベル4)として評価されるなど、多くのメリットがあります。さらに、一定の要件を満たせば、現場の主任技術者や営業所の専任技術者としての配置も可能であり、企業の施工体制強化に貢献します。

建設業界では、今後も技能者の適正評価や人材の確保が重要視されるため、登録基幹技能者の役割はますます拡大していくと考えられます。企業の競争力を高めるためにも、また、技能者がより良い待遇を得るためにも、この資格を有効活用することが求められるでしょう。

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