CAD(キャド)は建設・製造・設計の現場で欠かせないスキルですが、独学では挫折してしまう人も多い分野です。そんなときに活用したいのが、ハローワークを通じて受けられる「職業訓練CADコース」。受講料は無料で、条件を満たせば失業給付の延長や給付金制度も利用できます。
一方で「職業訓練CADは意味ない?」「女性や40代からでも大丈夫?」「難しくて挫折しない?」といった不安の声も多いのも事実です。
本記事では、CAD職業訓練の仕組みやメリット、注意点、オンライン受講の可能性までわかりやすく解説します。未経験からCADスキルを身につけたい方はぜひ参考にしてください。
記事のポイント
- CADとは
- CADの職業訓練について
- 女性や40代に人気の理由
- 職業訓練申し込みの流れ
- 失業給付金延長できる?
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)
建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
目次
CADの職業訓練とは。費用や意味ない?という噂まで徹底解説

- CAD職業訓練とは?無料で学べる仕組みと学習内容を徹底解説
- 職業訓練CADは意味ない?就職につながる人・つながらない人の違い
- ハローワーク経由でCAD職業訓練に申し込む方法と注意点
- CAD職業訓練は受講料無料!失業給付の延長制度も活用しよう
- CAD職業訓練は女性に人気!在宅ワークや時短勤務にもつながる理由
- 40代からのCAD職業訓練|未経験でも再就職できる可能性
- CAD職業訓練はオンライン受講できる?在宅で学べる可能性を解説
CAD職業訓練とは?無料で学べる仕組みと学習内容を徹底解説

CADとは「Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)」の略で、建築や土木、製造、インテリアなど幅広い分野で図面を作成するために使われるソフトです。手描きの設計図では時間も精度も限界がありましたが、CADを使えばコンピュータ上で正確かつスピーディーに図面を仕上げることができます。そのため、現在では建設現場の施工図から住宅の間取り、機械部品の設計まで、あらゆる場面で必須のスキルとされています。
一方で、CADは独学で学ぼうとすると操作が複雑で挫折する人も少なくありません。そこで活用できるのが「職業訓練CADコース」です。これはハローワークを通じて受講できる公的な再就職支援制度の一つで、未経験者でも基礎から体系的に学べるのが大きな魅力です。しかも 受講料は無料(テキスト代など実費のみ)。条件を満たせば失業給付を延長してもらえる制度もあり、経済的な負担を抑えながら新しいスキルを身につけられる環境が整っています。
職業訓練CADは意味ない?就職につながる人・つながらない人の違い

「CAD職業訓練は意味ない」という声をネット上で目にすることがあります。確かに、修了したからといってすぐに高収入の設計職に就けるわけではありません。また、訓練期間が3〜6か月と限られているため、全くの初心者が短期間で即戦力になるのは難しいという面も否めません。こうした点から「意味がない」と感じる人もいるのです。
しかし実際には、CAD職業訓練は未経験からスキルを身につけたい人にとって大きなチャンスです。無料で学べるだけでなく、就職支援がセットになっているため、修了後にCADオペレーターや建設事務+CAD補助といったポジションで採用されるケースも多くあります。特に「PCスキルが一定レベルある人」「訓練中も自主学習を続けられる人」「建設・製造業界への就職意欲がある人」は、訓練の効果を就職につなげやすい傾向があります。
ハローワークのインターネット検索では、建設業・土木業におけるCAD関連求人が東京都内だけで約230件掲載されています。これは特定のスキルに絞った求人としては決して少なくない数字であり、CADスキルを習得することが就職・転職に十分役立つことを示しています。

つまり、職業訓練CADが「意味ない」と感じるかどうかは、受講する本人の目的や努力次第。求人ニーズが一定数存在することを踏まえれば、未経験者が新しいキャリアを切り開く有効な選択肢となります。
ハローワーク経由でCAD職業訓練に申し込む方法と注意点

職業訓練を受講するには、まずハローワークで求職登録を行う必要があります。その上で担当者に相談し、希望する訓練コースを選びます。職業訓練は公共職業訓練(離職者訓練)と求職者支援訓練に分かれており、対象や給付条件が異なります。ハローワークの職員と一緒に自分の状況に合ったコースを選ぶのが基本です。
申し込みの流れはおおむね以下の通りです。
職業訓練申し込みの流れ
- ハローワークで求職登録・相談
- 希望コースの確認・応募書類の提出
- 訓練校による選考(面接・作文・適性検査など)
- 合格後、開講日に受講開始
注意点としては、すべての希望者が必ず受講できるわけではないことです。人気のCADコースは応募者が多く、選考試験や面接で絞られる場合があります。また、開始時期が決まっているため、希望のコースがすぐに開講していないこともあります。そのため、早めにハローワークに相談しておくことが大切です。
CAD職業訓練は受講料無料!失業給付の延長制度も活用しよう

CAD職業訓練の大きな魅力は、受講料が原則無料であることです。公的な訓練制度のため授業料はかからず、必要なのはテキスト代や教材費などの実費のみ。独学で有料講座に通うよりも、圧倒的にコストを抑えて学習できるのが強みです。
さらに、雇用保険の基本手当(失業給付)を受けている場合、条件を満たせば「訓練延長給付」という制度を利用できます。これは、所定給付日数が終了してしまう人でも、訓練が修了するまで失業給付が延長される仕組みです。ただし「給付日数の2/3を使い切る前に訓練を開始していること」などの要件があるため、ハローワークで事前確認が必要です。
また、失業給付を受けていない人でも「求職者支援制度」による支援を受けられる可能性があります。この場合、職業訓練受講給付金(月額10万円+交通費など)が支給され、経済的に安心して学習を続けられます。
注意点として、いずれの制度を利用する場合も「出席率が8割以上」など厳格な条件があります。遅刻や欠席が多いと給付が止まってしまうため、制度を活用するなら計画的に受講を続けることが大切です。
CAD職業訓練は女性に人気!在宅ワークや時短勤務にもつながる理由

CAD職業訓練は、再就職を目指す女性から特に人気があります。
理由のひとつは、CADオペレーターという仕事が体力勝負の現場作業ではなく、パソコンを使った内勤業務であること。子育てや家庭との両立を意識する女性にとって、体力面の負担が少ない点は大きな魅力です。
また、CADオペレーターは在宅ワークや時短勤務と相性が良い職種のひとつです。近年はリモートで施工図や設計補助を行う案件も増えており、クラウドソーシングや派遣会社経由で在宅型のCAD求人が見つかるケースもあります。正社員だけでなく、パートや派遣、フリーランスといった柔軟な働き方を選びやすいのも強みです。
こうした背景から、CAD職業訓練は「出産や育児で一度離職したけれど、再び専門スキルを持って働きたい」という女性にとって、キャリアの再スタートを切る有力な選択肢になっています。
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40代からのCAD職業訓練|未経験でも再就職できる可能性
「もう40代だから新しいスキルを学んでも遅いのでは…」と不安に感じる方も多いですが、CAD職業訓練は40代からの受講者も少なくありません。むしろ、再就職支援を目的に開設されている訓練コースのため、年齢層は幅広く、40代・50代の受講者がクラスに混ざっているのは珍しくないのです。
CADオペレーターは、経験豊富な設計士や現場監督と違い、図面作成や修正など補助業務が中心。そのため、企業側も「即戦力の高度な技術者」というよりは「PCスキルと基礎CADを扱える人材」を求める傾向にあります。実際にハローワークや求人サイトでも、未経験可のCADオペレーター求人は一定数掲載されています。
ただし、40代から就職を目指す場合は「基礎的なPC操作が問題なくできること」「学ぶ姿勢をアピールできること」が大きなポイントになります。企業は「年齢が高くても柔軟に学んでくれる人」を評価するからです。資格として「CAD利用技術者試験」などを訓練後に取得すれば、採用の後押しにもつながります。
40代からCAD職業訓練に挑戦するのは決して遅くなく、むしろ再就職に直結しやすい現実的な選択肢と言えます。
CAD職業訓練はオンライン受講できる?在宅で学べる可能性を解説

近年はオンライン学習が一般化しており、「CAD職業訓練も自宅から受けられるのでは?」と考える人も少なくありません。実際、職業訓練の一部分野ではZoomを使ったオンライン型や、自宅のPCで学ぶeラーニング型が導入されています。CAD関連でも、建築CAD製図技能者養成科などで「在宅のまま受講できる訓練」が実施された実例があります。
とはいえ、こうしたオンライン型CAD訓練はまだまだ数が限られているのが現状です。多くのCAD職業訓練は、通学型(教室でPCを使う実習中心)で行われています。理由は、CADは実習比率が高く、講師が直接操作を確認・指導するほうが学習効果が高いためです。
もし在宅で学びたい場合は、職業訓練ではなく民間のオンライン講座を検討するのも選択肢です。Udemyやスクール系の通信教育ではAutoCADやJW-CADの講座があり、時間や場所に縛られず基礎を学べます。ただしその場合は、職業訓練のように受講料無料や失業給付の延長といった制度的メリットは受けられませんので注意してください。
総括:CAD職業訓練は意味ない?無料で学べる仕組みと就職につながる理由を徹底解説
CAD職業訓練は「意味ない」と言われることもありますが、実際には未経験から専門スキルを習得でき、就職に直結しやすい制度です。受講料は無料(教材費のみ自己負担)で、条件を満たせば失業給付の延長や給付金の支給も受けられるため、金銭的リスクを抑えて学べるのが最大の魅力といえます。
女性や40代以上の受講者にも人気があり、内勤型・時短勤務・在宅ワークなど柔軟な働き方と相性が良いのも特徴です。オンライン対応のコースはまだ少数派ですが、地域によっては在宅eラーニングの実施例もあるため、希望する人は最新の募集案内を確認することが重要です。
CAD職業訓練は「努力次第で大きなリターンが期待できる」制度です。新しいキャリアの一歩を踏み出したい人はぜひ検討してみはいかがでしょうか。
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