【保存版】安全パトロールのやり方を徹底解説!「義務なの?」「チェックリストは?」の疑問にも答えます

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「安全パトロールってどうやってやるの?」「やらないといけない義務なの?」
建設現場や工場などの職場では、安全パトロールのやり方や実施の義務について、現場ごとに悩むケースも多いのではないでしょうか。

本記事では、安全パトロールの基本的なやり方や、法的な義務の有無、チェックリストやコメント例文、現場での活用事例まで、実務にすぐ使える情報をわかりやすく解説します。

初めての方にも、担当者として慣れている方にも役立つ内容となっていますので、是非ご活用ください。
記事のポイント
  • 安全パトロールとは
  • 安全パトロールの目的
  • 誰がやる?パトロールの義務について解説
  • 安全パトロールのやり方・チェックリストの例
    この記事を書いた人

    事務員たなか(@tanaka_kodozimu)


    建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
    元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
    子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
    目次

    安全パトロールのやり方・義務について解説

    1. 安全パトロールとは?建設業・工場における役割と目的
    2. 安全パトロールは義務?|法的根拠と実施者について
    3. 安全パトロールのやり方|基本の流れとチェックポイント
    4. チェックリスト活用例|建設業・工場での実践フォーマット

    安全パトロールとは?建設業・工場における役割と目的

    安全パトロールとは、職場内に潜むリスクや不安全な状態・行動を早期に発見し、事故や災害を未然に防ぐために行う巡視活動です。

    建設現場では、高所作業や重機の接触など、日々変化する作業環境に多くの危険が潜んでおり、こまめな安全確認や安全パトロールが重要な役割を果たします。

    一方、工場においても安全パトロールは欠かせません。
    自動車部品の組立工場、食品加工場、金属加工工場など、製造業に分類される現場が代表的です。これらの職場では、設備の非常停止装置や安全カバーの状態、通路の安全確保、掲示物の更新状況など、安定した作業環境を維持するための点検が主な目的となります。

    いずれも、安全パトロールを通じて、現場に潜むリスクを早期に発見・是正することが、災害防止の鍵となります。

    厚生労働省では、安全パトロールの目的を「災害の芽をチェックリストを使って探し、潰すこと」と唱えています。パトロール中に危険が確認された場合は、その場で是正を指示し、すぐに対応できない場合は作業を一時中止して対策を検討する判断も求められます。また、安全衛生会議や朝礼で伝えた指示事項が、現場で実行されているかの確認も重要な役割です。

    現場作業者との「声かけ」も安全パトロールの大切な要素です。危険行為の指摘だけでなく、挨拶や工事の進捗確認なども含めてコミュニケーションを取り、現場の緊張感や集中力を維持することで、災害防止の意識が高まります。こうした積み重ねが、現場における安全文化の定着につながります。
    安全パトロールの主な目的
    • 作業現場のリスクや不安全行動を早期に発見・是正する
    • 建設現場や工場の安全状態を維持・改善する
    • 作業者の安全意識とリスク感受性を高める
    • 安全文化を職場全体に定着させる
    いずれの業種でも、安全パトロールは形式的なチェックではなく、現場に根ざした実効性ある活動であるべきです。日常業務の一部として継続的に取り組むことで、事故を未然に防ぐ“最前線の安全対策”として、強い意味を持つようになります。

    安全パトロールは義務?|法的根拠と実施者について

    安全パトロールは、すべての現場で法律上の「義務」とされているわけではありませんが、労働安全衛生法などに基づく管理体制の一環として、対象となる事業所や現場では実施が求められる重要な安全活動です。

    たとえば建設業では、一定規模の工事現場において元方事業者に統括安全衛生責任者の選任が義務づけられており、労働安全衛生法第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)により、「作業場所を巡視すること」が明記されています。一方、工場などの固定施設では、労働安全衛生規則に基づき、安全管理者や衛生管理者などに巡視の実施が義務づけられています。

    このように、安全パトロールの実施頻度や法的な義務の有無は、事業場の規模や業種、そして担当する役職によって異なります

    建設業では「統括安全衛生責任者」や「元方安全衛生管理者(店社)」が中心となってパトロールを行うことが多いですが、事業所の体制によっては「安全管理者」や「衛生管理者」など、他の法定職が関与するケースもあります。

    以下に、建設業を含む一般事業場における主な巡視関係者と、その選任要件・巡視頻度の目安を一覧でまとめました。自社に該当する役職があるか、確認してみてください。
    役職名選任要件巡視頻度(法的根拠 or 実務目安)
    衛生管理者常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場週1回以上
    (労働安全衛生規則第11条)
    安全管理者        常時50人以上かつ法定の業種(建設業・製造業など)明確な規定なし
    ※週1回程度が望ましい
    産業医常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場月1回以上
    (労働安全衛生規則第15条、情報提供+事業者同意で2か月に1回まで可)
    統括安全衛生責任者複数業者が作業する建設現場で、工事の種類に応じて常時20人以上or50人以上の場合に元方事業者が選任義務あり毎作業日1回以上
    (安衛法・安衛則より)
    店社安全衛生管理者複数業者が作業する建設現場で、工事の種類に応じて常時20人~50人未満)で、元方事業者が選任月1回以上
    (労働安全衛生規則第18条の8)
    このように「義務」と一括りにされがちですが、安全パトロールの巡視頻度や実施義務の有無は、役割ごとに異なります。衛生管理者や統括安全衛生責任者のように法令で明確に定められているケースもあれば、安全管理者などは事業所の裁量に委ねられている部分もあります。そのため、自社の体制や人員に応じて、担当者ごとに適切な運用ルールを設けることが重要です。

    また、こうした義務は基本的に中規模(10人以上〜50人以上)の事業所を対象として定められていることが多く、小規模な現場では法的義務がない場合もあります。しかし、事業主には「労働者の安全と健康を確保する責任」があるため、法的義務がなくても自主的に安全パトロールを実施することが望ましいでしょう。
    事務員たなか

    各役職毎の法令は下記に記載しています。

    (特定元方事業者等の講ずべき措置)
    第三十条 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
    一 協議組織の設置及び運営を行うこと。
    二 作業間の連絡及び調整を行うこと。
    三 作業場所を巡視すること
    四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
    五 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
    六 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
    引用:労働安全衛生法 第三十条
    (作業場所の巡視)
    第六百三十七条 特定元方事業者は、法第三十条第一項第三号の規定による巡視については、毎作業日に少なくとも一回、これを行なわなければならない。
    引用:労働安全衛生規則
    (衛生管理者の定期巡視及び権限の付与)
    第十一条 衛生管理者は、少なくとも毎週一回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
    引用:労働安全衛生規則
    (安全管理者の巡視及び権限の付与)
    第六条 安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険のおそれがあるときは、直ちに、その危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
    引用:労働安全衛生規則
    (産業医の定期巡視)
    第十五条 産業医は、少なくとも毎月一回(産業医が、事業者から、毎月一回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合であつて、事業者の同意を得ているときは、少なくとも二月に一回)作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
    引用:労働安全衛生規則
    (店社安全衛生管理者の職務)
    第十八条の八 法第十五条の三第一項及び第二項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
    一 少なくとも毎月一回法第十五条の三第一項又は第二項の労働者が作業を行う場所を巡視すること。
    引用:労働安全衛生規則

    安全パトロールのやり方|基本の流れとチェックポイント

    安全パトロールを効果的に行うには、「確認・記録・改善」の流れを押さえたうえで、目的に沿った進め方をすることが重要です。以下のステップに沿って行えば、現場の安全管理がぐっと実践的になります。
    STEP
    事前準備:チェックリストと目的の明確化
    パトロール前に、巡視の目的や重点箇所を整理します。チェックリストを活用し、点検対象(作業者・設備・環境)を事前に明確にしておくことで、見落としを防げます。
    事務員たなか

    チェックリストに穴があると意味がないので、
    社内全体で確認するとよいですね。

    STEP
    現場巡視:状況の目視と声かけ確認
      チェックリストを手に現場を巡回し、以下のような項目を確認します。
      建設現場の主な確認ポイント
      • 高所作業の手すり・墜落防止措置
      • 重機周辺の立入禁止表示
      • 仮設電気配線や照明の安全性
      • 作業者の保護具着用状況
      工場内の主な確認ポイント
      • 設備まわりの可動部・カバーの有無
      • 通路や避難経路の確保状況
      • 張り紙・表示の見やすさや掲示期限
      • 作業姿勢・手順の順守状況
      STEP
      記録・コメントの記入
      イメージ
      巡視結果は、現場でメモまたは記録表にまとめます。指摘事項には、事実ベースの簡潔なコメントを添えましょう。

      例:「足場2段目手すりが未設置」「グラインダー使用時に保護メガネ未着用」など。
      STEP
      フィードバックと是正対応の共有
      終了後は、記録を関係者に共有し、指摘事項について改善対応を依頼します。定例の朝礼やミーティングでの報告を通じて、パトロールの結果が組織全体に活きるようにすることが大切です。

      チェックリスト活用例|建設業・工場での実践フォーマット

      出典:厚生労働省「安全衛生チェックリスト(建設業)」
      安全パトロールを効果的に行うには、事前にチェックリストを用意が何よりも重要です。巡視の際に何を確認すべきかを明確にしておくことで、見落としを防ぎ、誰が行っても同じ基準で点検できるようになります。

      厚生労働省でも、現場安全パトロールチェックリスト(簡易版)を公開しており、足場や重機、保護具、標識の設置状況など、基本的な確認項目が網羅されています。こうした国の基準を参考にしつつも、実際のパトロールでは、現場の作業内容や環境に合わせてカスタマイズすることが非常に大切です。

      建設現場と工場で異なる重点確認ポイント

      たとえば建設現場であれば、以下のような項目がリスクとなりやすく、パトロール時に重点的な確認が求められます。
      建設現場でのポイント
      • 高所作業の手すりや墜落防止措置
      • 重機作業エリアの立入制限
      • 電動工具のコードの破損や仮設電気設備の安全性
      • 足場の幅木や揺れの有無など、組立状況に問題がないか
      • 作業通路が資材や工具でふさがれていないか、滑りやすくないか
      • 作業員がヘルメット・安全帯・安全靴などを適切に着用しているか
      • 作業手順や立入禁止などの掲示・標識が見やすく適切に設置されているか
      • 溶接や切断作業時に消火器が配置されているか、ガスボンベの転倒防止がされているか
      • 作業員が安全手順を守っているか、不安全行動がないか
      事務員たなか

      一方、工場では次のような点が確認の中心になります。

      工場でのポイント
      • 機械設備の非常停止装置や安全カバーが正しく設置・機能しているか
      • 通路や避難経路が確保されているか、障害物や荷物の放置がないか
      • 作業手順書や注意表示などが掲示され、最新の内容に更新されているか
      • 換気設備や排気装置が正常に作動しているか、粉じんやガスがこもっていないか
      • 電気設備や配線の劣化・破損がないか、トラッキング火災のリスクがないか
      • 作業員が保護具(手袋・マスク・防護メガネなど)を適切に着用しているか

      チェックリストは現場に合わせて柔軟に調整を

      安全パトロールで使用するチェックリストは、厚労省などのテンプレートをそのまま使うだけでなく、現場のリスク特性に応じたカスタマイズが必要不可欠です。
      • 写真貼付欄を設け、問題箇所を視覚化する
      • 是正内容や再点検日を記入できる欄を設ける
      • 点検頻度や実施者欄を追加し、運用の属人化を防ぐ
      このように、チェックリストを「現場に合わせて生きたもの」として定期的に見直していくことが、安全パトロールを形骸化させず、本来の目的を果たすための鍵となります。

      安全パトロールの事例とコメント例文

      安全パトロールは記録を残すことも重要ですが、「どのようにコメントを書けばよいかわからない」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。ここでは、建設現場と工場でよくあるパトロール事例と、それに対するコメント例文をご紹介します。
      建設業でのパトロール事例とコメント例
      • 足場の手すりが一部未設置
        → 北面足場2段目にて手すり未設置を確認。速やかに追加設置を依頼済み。今後は作業前点検時にも確認を徹底するよう指導。
      • 作業員が保護メガネを未着用
        → グラインダー使用中の作業員が保護メガネ未着用。安全帯着用は良好。保護具の再確認と朝礼時の指導を実施。
      • 資材置き場の通路が塞がれている
        → 南側通路に仮置きされた資材があり、安全通行に支障。資材移動を即時指示済み。今後は誘導員の巡回強化を検討
      工場でのパトロール事例とコメント例
      • 非常停止ボタン周辺に段ボールが置かれていた
        → Aライン機械横の非常停止ボタン付近に段ボールが一時的に置かれていた。操作の妨げとなるため、即時撤去を指示し注意喚起。
      • 掲示物が旧版のまま貼られていた
        → 掲示板内の『避難経路図』が旧レイアウトのままで更新されていない。担当者へ最新版掲示を依頼済み。
      • 作業者が手袋を着用していなかった
        → 手動カッター使用時に手袋未着用を確認。安全教育での周知不足と判断し、教育担当へ報告。
      コメントは、「場所・状況・対応・今後の指導」の4要素を意識すると、誰が読んでもわかりやすい記録になります。短くても構いませんが、事実ベース+簡潔な対応記録が残っていれば、後々の是正管理にも役立ちます。

      総括:【保存版】安全パトロールのやり方を徹底解説!「義務なの?」「チェックリストは?」の疑問にも答えます

      安全パトロールは、単なる形式的な巡視ではなく、現場のリスクを早期に発見し、作業者の命を守るための重要な活動です。やり方やチェックリストの使い方、役職ごとの義務や巡視頻度を正しく理解することで、パトロールの質は大きく向上します。

      法的義務があるかどうかに関係なく、事業者には作業員の安全を守る責任があります。自社の体制や現場のリスクに応じて、安全パトロールを継続的に実施し、安全文化の定着を目指しましょう。

      なお、この記事で紹介したチェックリストの例やパトロールコメントの書き方は、別記事やテンプレート配布ページでも詳しく紹介しています。ぜひそちらも参考にして、実務に役立ててください。

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