在来軸組工法と枠組壁工法の見分け方は?外観だけで判断できるかをわかりやすく整理

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木造住宅の現場では、「在来軸組工法なのか、枠組壁工法(ツーバイフォー)なのか」を正しく把握しておくことが、構造の理解だけでなく、耐震・耐火性能や将来の増改築の検討にも関わってきます。

本記事では、在来軸組工法と枠組壁工法の基本的な概要から、両工法の基本的な違いや見分け方、外観・図面・現場のそれぞれで確認できるポイントを整理します。現場・事務・安全管理に携わる方が、日常業務の中で迷わず活用できる実務ガイドを目指します。
記事のポイント
  • 在来軸組工法とは
  • 枠組壁工法(ツーバイフォー)とは
  • 在来軸組工法と枠組壁工法の見分け方
  • 外観で見分けられる?
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)


建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・HP作成・IT土方まで何でもやっています。
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目次

外観だけで判断できる?在来軸組工法と枠組壁工法の見分け方

  1. 在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー)の基本を整理
  2. 在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー)の見分け方
  3. 在来軸組工法のメリット・デメリット
  4. 枠組壁工法(ツーバイフォー)のメリット・デメリット
  5. よくある誤解Q&A

在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー)の基本を整理

在来軸組工法とは?(柱と梁で骨組みをつくる工法)

在来軸組工法は、日本で長く普及している木造工法で、柱・梁・桁などの軸材を組み合わせて建物を支える構造です。柱や梁を現場で組み上げるため、間取りの調整や開口部の設計に柔軟性を持たせやすい点が特徴とされています。増改築への適応性が高いことから、日本の戸建住宅の多くで採用されてきた歴史があります。

施工の流れは、基礎の上に土台を敷き、柱を建てて梁を組み、筋交いや耐力壁で強度を確保するという“フレーム構造”が基本です。現場で加工・調整する割合が比較的多く、職人の技量が品質に影響すると説明されることもあります。

枠組壁工法(ツーバイフォー)とは?(面で構造体をつくる工法)

枠組壁工法はアメリカで発展した工法で、壁・床・天井といった“面”で建物を支える構造が特徴です。2×4材や2×6材などの規格化された木材と構造用合板を組み合わせ、箱状の構造体を形成するため、均一な強度を確保しやすいとされています。工場加工されたパネルを使うため、品質のばらつきを抑えやすい点がメリットとして紹介される場合があります。

施工手順は、床パネル→壁パネル→天井と進むことが一般的で、壁が耐力要素を持つため開口部の大きさや配置には制約が生じることがあります。これは間取りの自由度に影響するポイントとして実務でもよく指摘されます。
出典:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
事務員たなか

最近は落ち着いてきているものの、
ツーバイフォーの住宅シェアはここ50年伸びていますね。

両工法をイメージで理解するための基本的な構造の考え方

在来軸組工法と枠組壁工法を比較する際は、細かな部材名称よりも、まず「どのように建物を支えているか」という構造の考え方を押さえておくと理解しやすくなります。在来軸組工法は“柱と梁で骨組みを形成するフレーム構造”で、柱が縦方向の主要な支持材として明確に存在します。施工途中でも柱が一定間隔で立ち並ぶため、現場でも確認しやすい特徴になります。

枠組壁工法の場合、建物を支える主な要素は“壁そのもの”であり、壁・床・天井が一体となった箱型の構造になります。壁の内部に枠材が組まれ、外側に構造用合板が固定されるため、工事の早い段階から「面で構造体が形成されている」様子が見て取れます。この“面構造”という考え方が、在来との最も大きな違いを理解するうえで重要なポイントです。

在来軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー)の見分け方

イメージ「在来軸組工法」

外観から確認できるポイント(ただし外観だけでは判断できない場合あり)

外観から工法を推測しようとする場合、まず目に入りやすいのは窓の大きさや配置ですが、近年の住宅はデザインの幅が広がっており、これだけで在来軸組工法か枠組壁工法かを判別することは困難とされています。一般的な傾向として、枠組壁工法は壁で力を受ける構造のため、大きな開口部や連窓に制限が生じやすく、在来軸組工法は構造的な自由度が高いと説明されることがあります。

また、天井高さにも工法ごとの傾向が見られます。在来軸組工法では2,500mm前後の天井高を採用する例が多く、ツーバイフォーでは2,400mmを標準とする仕様がよく見られます。さらに、在来工法は梁や吊木などの構造部材を組み合わせて建物を構成するため、その分、全体として高さが出やすく、外観でも軒位置が高くなるケースがあります。ただし、実際の高さは設計仕様や施工会社の基準によって異なるため、個別の図面で確認することが確実です。

図面から判断するポイント(最も確実性が高い方法)

図面で確認する場合は、まず「構造図」「平面図」「軸組図」を参照し、柱の位置や壁の構成を確認するのが基本となります。在来軸組工法では、柱を示す記号が一定間隔で並び、レーム構造であることが図面上にも表れます。また、筋交いの表記や金物位置が記載されることが多く、これも在来特有の特徴として判断材料になります。
一方、ツーバイフォーの場合は「柱」という概念ではなく、上記のような柱の図はありません。マグサや開口補強も図示されることが多く、これもツーバイフォー特有の特徴として判断の手がかりになります。壁厚や構成材の寸法が細かく示されることが多いため、これらの情報を組み合わせることで在来工法との違いが判断しやすくなります。

現場での見分け方(施工途中の状態が最も読み取りやすい)

イメージ
建て方の段階であれば、在来軸組工法は“独立した柱が建ち並ぶ”光景が特徴的で、梁が掛かってフレーム構造が形成されていきます。筋交いや接合金物が後から取り付けられるため、柱と梁の組み合わせが明確に見えるのが判断材料になります。

枠組壁工法の場合は、床パネルを敷き、その上に壁パネルが立ち上がる施工手順が一般的です。壁が最初から面として構成されているため、施工初期段階でも“開口部を含む壁ユニット”が確認できるのが特徴となります。

在来工法と枠組壁工法の比較表

以下は、両工法の特徴を整理した一般的な比較表です。
比較項目在来軸組工法枠組壁工法(ツーバイフォー)
構造の考え方柱と梁のフレーム構造壁・床の面構造
施工途中の見た目柱が独立して立ち並ぶ壁パネルが早期に立ち上がる
図面の特徴柱芯の記号、筋交い、金物が明確枠組材・面材の構成が示される
開口部の自由度比較的高い構造上の制約が出やすい
増改築への適応性調整しやすいとされる制限が生じる場合がある
品質のばらつき施工者により差が出る場合あり仕様が統一されやすい
比較表はあくまで一般的な傾向をまとめたものであり、実際の構造性能は設計仕様や使用材料によって異なります。判断に迷う場合は、設計者や元請企業へ確認することが確実です。

在来軸組工法のメリット・デメリット

イメージ
メリットデメリット
間取りや開口部の自由度が高い
設計に柔軟性がある
増改築や部分リフォームの検討が比較的しやすい
敷地条件や形状に合わせた家づくりが行いやすい
地域の工務店や職人が対応できるケースが多い
施工者の技量による品質差が出やすい
耐力壁・筋交いの配置でバランスが変わりやすい
気密・断熱性能が施工精度に左右されやすい
品質の安定性に課題が出ることがある

在来軸組工法のメリット(柔軟性と可変性の高さ)

在来軸組工法は、柱と梁で骨組みをつくる構造のため、間取りや開口部の自由度が高いとされています。設計の幅が大きく、施主の希望に合わせたプランづくりがしやすい点は、木造住宅で広く採用されてきた理由のひとつです。また、増改築や部分的な補強が比較的検討しやすく、将来的なライフスタイルの変化に対応しやすい点もメリットとして挙げられます。

さらに、軸材ごとに調整しながら施工できるため、敷地条件や特殊な形状に合わせた住宅をつくりやすいという柔軟性があります。伝統的な技術を継承している工法であることから、対応できる職人や工務店が多い点も、地域の実務においては利点となります。

在来軸組工法のデメリット(施工品質のばらつきや耐力の確保)

在来軸組工法は、現場での加工や調整が多い工法であるため、施工者の技量によって品質に差が出ると言われることがあります。軸材の寸法や取り合いは現場で決める部分もあるため、経験や精度が工事品質に影響する可能性があります。また、耐力壁・筋交いの配置を適切に行う必要があり、構造計画によって耐震性能が左右される点が注意点として挙げられます。

さらに、気密性・断熱性は施工手法によって差が生じやすく、一定水準を確保するには管理体制や仕様の統一が重要になります。これらの特徴は、設計と施工が適切に連携していれば大きな問題にはなりませんが、工事のばらつきが課題となるケースも報告されています。

枠組壁工法(ツーバイフォー)のメリット・デメリット

出典:出典:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
メリットデメリット
“面構造”により強度を確保しやすい傾向
規格化された部材で品質が安定しやすい
気密性を確保しやすい
施工期が短くなることが多い
工場加工の割合が高くばらつきが少なくなる可能性
開口の大きさ・配置に制約が生じやすい傾向
間取り変更や増改築が難しい場合がある
壁が主要構造のため、改修の自由度が低い
部分的な撤去が困難なことがある
工務店によって対応できる範囲に差が出ることも

枠組壁工法(ツーバイフォー)のメリット(一般的に説明される傾向)

枠組壁工法は“面で建物を支える”構造であるため、壁・床・天井が一体となった箱状の構造体となる点が特徴です。規格化された部材を使用するため品質を一定に保ちやすいとされ、工場加工を採用するケースでは施工の安定感も期待されます。耐力壁が多く、地震に対する強さが説明されることもありますが、具体的な性能値は仕様や設計条件によって異なるため確認が必要です。

施工手順が標準化されていることから、工期の短縮につながる場合があり、気密性も取りやすいとされることがあります。これらはあくまで“傾向”であり、実際には施工体制や使用材料によって異なります。

枠組壁工法(ツーバイフォー)のデメリット(注意点として挙げられる傾向)

枠組壁工法は耐力壁が主要な構造要素のため、開口部の配置や大きさに制約が生じることがあります。設計の自由度は在来軸組工法と比べて小さくなると説明されることがあり、特に大開口や複雑な形状の住宅では検討の余地が生まれます。

また、箱状の構造であるがゆえに、増改築や部分的な改修が難しい場合があります。壁の取り扱いが構造そのものに直結するため、開口部の変更などには慎重な判断が必要となります。解体・改修の手順も在来工法と異なるため、リフォーム時は設計者に確認することが重要です。

枠組壁工法と“省令準耐火”の関係

枠組壁工法は、省令準耐火構造に対応しやすい工法として紹介される場合があります。壁・天井が構造的に“一体の面”として形成されるため、耐火被覆を施しやすいという点が理由として挙げられます。

省令準耐火に適合すると保険料の優遇を受けられるケースがありますが、これは工法そのものではなく“設計・施工が基準を満たすかどうか”によって決まりますので注意してください。

よくある誤解Q&A

ツーバイフォーは“必ず”耐震性が高いの?
枠組壁工法(ツーバイフォー)は、壁・床・天井が一体となった面構造のため、耐震性の確保がしやすいと説明されることがあります。しかし、実際の耐震性能は“工法そのもの”で決まるのではなく、設計・仕様・材料・施工精度によって大きく変わります。面構造だから常に優れているというわけではなく、在来軸組工法でも適切な耐力配置と施工が行われれば十分な性能を発揮します。
在来軸組工法は強度が不安定というのは本当?
在来軸組工法は現場加工が多いため“品質にばらつきが出やすい”という説明がされることがありますが、これは施工体制や管理手法による部分が大きいといわれています。設計段階で適切な耐力壁配置が計画され、施工管理がしっかり行われれば、在来工法でも高い耐震性を確保することは可能です。工法だけで強度を断定することはできず、個々の建物の仕様確認が必要です。
外観だけで在来・枠組壁工法のどちらか判別できる?
外観には工法の傾向が表れることもありますが、現代住宅ではデザインの幅が広がっているため、外観のみで工法を断定することは困難です。たとえば、枠組壁工法でも大開口を設けた住宅は存在しますし、在来軸組工法でも面材を多用して外観だけでは区別がつかない例があります。

確実に判断したい場合は、図面または施工途中の現場の確認が必要であり、外観だけを根拠に工法を判断することは推奨されません。

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総括:在来軸組工法と枠組壁工法の見分け方は?外観だけで判断できるかをわかりやすく整理

在来軸組工法と枠組壁工法は、それぞれ構造の考え方が異なるため、図面・現場・外観の見え方にも違いがあります。ただし、デザインや仕様の多様化により外観だけで判断することは難しく、確実に区別したい場合は図面の確認が欠かせません。施工途中の現場を見る機会がある場合は、柱が立つフレーム構造か、壁が面として構成されているかが判断の手がかりになります。

両工法には長所と短所があり、どちらが優れているというものではありません。性能も工法ではなく、設計・材料・施工精度など複数の要素が組み合わさって決まるため、個別の建物ごとに仕様を確認することが重要です。不明点がある場合は、設計者や元請企業に相談し、工法を正しく理解したうえで安全書類や現場管理に反映させることで、適切な判断がしやすくなります。

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