工事現場の“安全書類”、あなたはどのシステムを使っていますか?
建設業において、元請企業や協力会社が取り扱う「安全書類」の提出は欠かせない業務のひとつです。
この業務を効率化するために、近年はWebシステムを導入する企業が増えています。
中でもよく聞くのが「グリーンサイト」と「グリーンファイル(Greenfile.work)」という2つのクラウドサービスです。
どちらも一見似たような仕組みに見えますが、実は利用目的や料金体系、導入のしやすさに違いがあります。
この記事では、両者の違いを比較しながら、自社に合ったシステム選びのヒントをお届けします。
記事のポイント
- グリーンファイルとは
- グリーンサイトとは
- グリーンファイルとグリーンサイトの違いは
- グリーンファイルを使用してみて
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)
建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
目次
グリーンファイルとグリーンサイトの違いについて

- グリーンファイル(Greenfile.work)とは?協力会社にやさしい無料のWebサービス
- グリーンサイトとは?大手ゼネコン中心に普及が進む業界標準ツール
- グリーンファイルとグリーンサイトの違いまとめ
- 協力会社は、無料のグリーンファイル(Greenfile.work)が良い?実際に使ってみた感想
グリーンファイル(Greenfile.work)とは?協力会社にやさしい無料のWebサービス

「グリーンファイル」は、正式名称を「Greenfile.work」と言い、シェルフィー株式会社が運営するクラウド型の安全書類作成・管理サービスです。グリーンサイトと同様に、作業員名簿や施工体制台帳といった建設現場に必要な各種安全書類を、オンライン上で作成・提出・共有することができます。
最大の特徴は、協力会社であれば無料で利用できるという点。
元請企業の場合は、初期費用や月額料金がかかりますが、招待を受けた協力会社は基本的に無料で登録・提出作業を行うことができます。メールアドレスがあればアカウント登録ができ、誰でもすぐに利用を開始できます。
グリーンサイトに比べて非常にシンプルなUI設計となっており、それ故、シンプルで比較的スムーズに利用できるという方もいればわかりづらいと感じてしまう人もいるのをうかがえます。
2025年3月時点で、登録企業数は24万社を突破しており、全国の中小建設業者を中心に広く利用されています。
グリーンサイトとは?大手ゼネコン中心に普及が進む業界標準ツール

一方の「グリーンサイト」は、株式会社MCデータプラスが運営する安全書類の電子提出システムで、多くの大手ゼネコンで採用されているサービスです。
書類の作成・提出に加えて、建設業許可や作業員の健康診断の有効期限管理、入退場履歴の蓄積など、より高度な現場管理が可能となっています。
ただし、利用には元請・協力会社問わず料金が発生するのが大きな特徴。
協力会社の場合でも、IDの利用料がかかるため、協力会社にとっては負担に感じる場面もあります。
それでも、2025年1月時点で登録企業は85万社超、登録作業員数は199万人以上と、圧倒的なシェアを誇っている安全書類のクラウドサービスです。
グリーンファイルとグリーンサイトの違いは?どっちが良いの?
グリーンファイルとグリーンサイトは、どちらも建設現場における安全書類の電子化を支援する便利なクラウドサービスですが、それぞれに強みや特徴があります。
利用料金や機能面などが異なるため、どちらが自社の業務に合っているかを見極めることが大切です。
以下に、両サービスの主な機能や違いを比較した表をまとめましたので、参考にしてみてください。
比較項目 | Greenfile.work | グリーンサイト |
提供会社 | シェルフィー株式会社 | 株式会社MCデータプラス |
登録企業数 | 約24万社(2025年3月時点) | 約85万社(2025年1月時点) |
利用料金 | 協力会社は無料 | 元請・協力会社ともに有料 |
操作画面のわかりやすさ | シンプル | 多機能・慣れると使いやすい |
CCUS連携 | ||
建設業許可・資格の期限通知 | ||
就業履歴蓄積 |

安全書類提出にあたる基本的な要件は満たしていて、
CCUS連携もどちらも可能ですね。
協力会社は、無料のグリーンファイル(Greenfile.work)が良い?実際に使ってみた感想


グリーンファイルは、協力会社が無料で利用できるという点で非常に魅力的なサービスです。操作もシンプルで、基本的な安全書類の作成・提出に必要な機能が一通り揃っています。
弊社でも、元請企業からの依頼を受けて、2024年に初めてグリーンファイルへの登録を行いました。
グリーンサイトに慣れていたこともあり、当初はグリーンファイルの非常にシンプルなUIに戸惑いを感じたものの、操作自体は分かりやすく、慣れてしまえばスムーズに作業を進めることができました。
さらに、後になって知ったのですが、グリーンサイトに登録されている情報をグリーンファイルに転記できる連携サービスも提供されているようです。これを利用すれば、初期登録の手間を大幅に軽減できるため、非常に便利だと感じました。
ただし、このような他社サービスとの情報連携については、グリーンサイトを運営するMCデータプラスが他社サービスへのデータ移行を制限していたとして、2024年には公正取引委員会から独占禁止法違反に基づく排除措置命令を受けています。このようなことも踏まえると、実際に連携サービスの利用を検討している場合は、事前にグリーンファイルの運営会社へ問い合わせて確認するのが安心です。
詳しくは下記の記事に記載しています
このように、技術的には他サービスとの連携も可能であり、かつ無料で利用できるという大きなメリットを持つグリーンファイルですが、実際には「どのシステムを使うか」は元請企業の運用方針によって決まるため、協力会社側で選択するのは難しいのが現状です。
どちらのシステムにも対応せざるを得ない状況に、現場では手間や混乱を感じることも少なくありません。
正直なところ、業界全体でどちらかに統一されればもっと効率的なのに…というのが、多くの協力会社の本音ではないでしょうか。
他にもある?グリーンサイト・グリーンファイルの類似サービス


グリーンサイトやグリーンファイルのほかにも、建設業向けの安全書類を電子化できるサービスはいくつか存在します。代表的なものとしては「Buildee(ビルディ)」や「Wizdom(ウィズダム)」があり、それぞれ元請企業の業務効率化を目的に導入が進んでいます。
また、CCUS(建設キャリアアップシステム)にも施工体制台帳を作成できる機能はありますが、現時点ではそれを主に使って運用している企業はまだ少数派のようです。協力会社としては複数のツールに対応せざるを得ないのが実情で、統一化を望む声も少なくありません。
総括:グリーンサイトとグリーンファイルの違いを解説!無料で使いたい中小企業におすすめなのは?
グリーンファイルとグリーンサイトは、どちらも建設業界における安全書類の電子化を支援する便利なクラウドサービスです。グリーンファイルは協力会社にとって無料で利用でき、シンプルで導入しやすい点が大きな魅力です。さらに、グリーンサイトの情報を転記できる連携サービスも存在しており、使い方次第では非常に効率的に運用することも可能です。
とはいえ、実際の現場では、どのサービスを使うかは元請企業の方針に従うしかないというのが協力会社の立場です。そのため、「無料だから」「使いやすいから」といった理由で自社だけでツールを選ぶことは難しく、両方に対応せざるを得ないのが現状です。
現場の負担軽減という視点で見れば、今後は安全書類システムの統一化や連携強化が進むことを、多くの協力会社が望んでいるのではないでしょうか。
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