作業員名簿は、建設業において欠かせない重要な書類の一つです。2020年10月から施工体制台帳の一部として義務化され、それに伴い作成・提出の機会も増えているのではないでしょうか。
しかし、実際に作業員名簿を作成してみると、「どのように書けば良いのか」「職種欄には何を記載すれば良いのか」といった疑問を抱く方も少なくありません。特に職種欄については、迷いやすいポイントとして多くの質問が寄せられています。
そこで今回は、作業員名簿の基本的な役割や記載時の注意点に触れつつ、特に悩みがちな職種欄の記載方法について解説します。さらに、よく使用される職種一覧や具体的な記入例もご紹介しますので、名簿作成に役立てていただければ幸いです。
記事のポイント
- 現場代理人とは
- 公共工事における現場代理人の配置義務と常駐義務
- 民間工事における現場代理人の配置義務と常駐義務
- 現場代理人と主任技術者の兼任について
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)
建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
目次
作業員名簿の職種について

- 作業員名簿とは
- 作業員名簿における職種とは
- 作業員名簿の職種はどう書く?記入例を紹介
- 職種一覧を無料ダウンロード
- 作業員名簿のテンプレートを紹介
作業員名簿とは
作業員名簿とは、作業員とプロジェクトの安全性を確保するために、現場で働く作業員の情報を発注者や元請企業に通知する重要な書類です。作業員名簿は、2020年10月に施工体制台帳の一部として含めることとなり、事実上義務化されました。主に労働者の基本情報や所属会社、職種・資格情報等を記載し、現場ごとの安全管理や適切な労務管理に役立てられています。
大規模な工事や公共事業では必須書類として扱われているため、正確かつ漏れのない作成が求められます。
作業員名簿について詳しくはコチラ!
作業員名簿における職種とは

職種とは、作業員が現場で従事する仕事内容や仕事の種類を分類したものです。建設業における職種は非常に多岐にわたり、大工、鉄筋工、配管工、運転手、警備員など、さまざまです。これらの職種を明確にすることで、現場での役割分担がはっきりし、作業を効率的かつ安全に進めることが可能になります。
作業員名簿には、氏名の隣に「職種」を記載する欄が設けられています。この欄には、作業員が現場で具体的にどのような仕事を担当するのか、誰が見てもわかるよう正確かつ具体的に記載することが求められます。適切な記載は、現場全体の管理や安全性の確保に大きく寄与します。
作業員名簿の職種はどう書く?記入例を紹介

作業員名簿に職種を記入する際は、適切な分類と具体的な名称を使用することが求められます。「大工」「鉄筋工」「配管工」「ガラス工」といった具合で、仕事内容を具体的に書きましょう。一方、「職人」や「現場作業員」のような曖昧な表現は避けた方が良いでしょう。
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職種一覧を無料ダウンロード

どのような職種を記載すればよいか迷っている方のために、建設業における主な職種一覧を作成しました。下記のボタンをクリックしてダウンロードし、ぜひご確認ください。

無料でダウンロードできます。
職種一覧に記載したものは、あくまで建設業における一般的な職種に基づいた内容です。そのため、該当する職種がない場合は、分かりやすく具体的に記載すれば問題ありません。たとえば、「営業」「社内検査」「家具設置」といったように、実際に担当している業務内容を簡潔に書くことが大切です。
大切なのは、現場や関係者が名簿を見た際に、作業員がどのような仕事をしているのかが一目でわかるように記載することです。無理に専門的な表現にこだわらず、現場の実態に即した職種名を記載することで、作業員名簿の実用性がより高まります。
作業員名簿のテンプレートを紹介
建設業の作業員名簿は、元請企業によって使用されるテンプレートが異なるケースが多いです。元請企業から指定があった場合は、その指示に従い指定の様式で記入しましょう。一方特に指示がない場合は、一般的に「全建統一様式」または「国土交通省様式」がよく使用されます。
「国土交通省様式」は、建設業法に基づいて必要最低限の項目が簡潔にまとめられており、非常に記入しやすい特徴があります。ただし、提出先によっては、住所などの情報が不足するケースもあるため、事前に必要な情報を確認することが重要です。
全建統一様式と国土交通省様式のテンプレートが必要な方は、下記の記事からダウンロードしてご活用ください。
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総括:作業員名簿の職種一覧と記入例を紹介
作業員名簿は、建設業において現場の安全管理や適切な労務管理を行うために欠かせない重要な書類です。特に職種の記載は、作業員それぞれの役割を明確にし、現場運営を円滑に進めるための基盤となります。
本記事では、職種欄に関する疑問を解消するために、建設業でよく使用される主な職種一覧を紹介し、具体的な記入例やテンプレートの活用方法について詳しく解説しました。
作業員名簿の職種記載に迷った際は、現場の実態を正確に反映する具体的な表現を心がけましょう。「大工」、「鉄筋工」「内装工」等分かりやすく記載することが大切です。本記事を参考に、より正確で実用的な作業員名簿を作成するお手伝いができれば幸いです。
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