作業員名簿にも再下請負通知書にも必ず出てくる「現場代理人」という役割。
工事現場においてどのような役割を担うのか?現場代理人になるための資格はあるのか?等、曖昧な人も多いのではないでしょうか?
今回は、建設業の仕事に欠かすことができない「現場代理人」について詳しくみていきます。
この記事を書いた人
事務員たなか(@tanaka_kodozimu)
建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
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目次
現場代理人とは?
現場代理人とは、工事を受注した会社の代表者の代理として、工事現場の責任者を務める者をいいます。本来は、工事請負業者(元請企業)の経営者が責任者となることが望ましいのですが、複数の工事現場が並行して行われることもあり、経営者が管理するのは現実的に難しい場合が多いです。そこで、従業員の中から現場代理人を選任し、現場の管理を任せることが一般的となっています。
現場代理人の業務
現場代理人は、建設プロジェクトの進行を直接監督し、計画通りに進むように調整する責任者です。プロジェクトの初期段階から完了まで、さまざまな業務を行わなければなりません。下記に挙げたすべてを現場代理人自身が行うわけではありませんが、工事現場の責任者として各作業員に仕事を振る役目と責任が伴います。
プロジェクトの計画と準備
- 計画策定: プロジェクトの全体計画を立て、工程表を作成します。
- 予算管理: プロジェクトの予算を管理し、コストオーバーを防ぐための対策を講じます。
- 資材調達: 必要な資材や機材の調達を計画し、手配します。
現場の監督と管理
- 作業員の管理: 作業員の配置を決定し、各作業の進捗を監督します。
- 品質管理: 工事が設計図や仕様書に従って行われているかを確認し、品質を保証します。
- 安全管理: 作業現場の安全を確保し、労災事故や怪我を防ぐための対策を徹底します。
コミュニケーションと調整
- 関係者との連絡: 元請業者・下請業者とやりとりし、プロジェクトを円滑に進めるための管理を行います。
- 報告書作成: 進捗状況や問題点を報告するための書類を作成し、関係者に周知徹底します。
進捗管理と問題解決
- 進捗確認: 工事の進捗状況を定期的に確認し、スケジュールに遅れがないかをチェックします。
- 問題解決: 発生した問題に対して迅速に対応し、解決策を講じます。
事務員たなか (ゲンドウ風)
幅広く業務を行う必要があるため、管理能力やコミュニケーション能力が必要になってくる重要な仕事ですね。
現場監督と職務がかぶっている部分があるので混同しやすいですが、現場代理人は、「工事現場の取締り」と「請負代金額の変更、請求、受領」も代表者に変わって担うことになるので、より上の立場の方が配置される場合も多いです。
現場代理人になるには?
現場代理人のなるための特別な資格や要件は特にありません。
ですので、基本的には誰でもなることが可能ですが、工事現場の責任者であることから、公共工事等では直接的な雇用関係(正社員)にある者を配置するといった決まりになっている場合が多いです。
健康保険被保険者証や標準報酬決定通知書で雇用関係が確認されます。
また、監理技術者や主任技術者のように、〇〇円以上の下請金額なら配置が必須といった法律はありません。
法律上の配置義務はありませんが、現場代理人は発注者との契約に基づいて配置されるものです。都道府県によっては、受注者の代理人として工事現場に常駐し、工事の施工に関する一切の事項を処理する現場代理人を設置することが義務付けられている場合もあります。発注者によって要件が異なりますので、注意が必要です。
法律での配置義務はないけど、公共工事は配置・常駐が義務化されています。民間工事もほとんどの場合「現場代理人」が必要と言われることが多いですね。
主任技術者・監理技術者については下記でくわしく解説しています。
【安全書類】監理技術者と主任技術者の違いは?2024年最新の下請金額要件を確認!
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常駐義務はあるの?
現場代理人は、行程の管理・安全の管理に務めることから、原則として工事現場に常駐し、他の現場との現場代理人・技術者の兼務はできません。作業期間中、特別の理由がある場合を除き、常に工事現場に滞在することになります。
基本的に、現場代理人は現場に常駐してねという決まりになっていることが多いので、他の現場の現場代理人や技術者と兼務することは原則できません。
ただ、現場代理人の常駐義務の緩和措置も拡大されています。
併せて確認してみてください。
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まとめ
いかがでしたか?
現場代理人は、資格要件がないとはいえ、工事現場においての仕事は多岐にわたり重要な役割を担っています。
知識や経験以外にも、管理能力・コミュニケーション能力も必要となってきますので、建設業界で働き始めたばかりの方は、まずは現場代理人を目指すのもキャリアアップに向けて良いのではないでしょうか。