「一般事務員として働きたいけど、建設業界の事務員ってどうなの?」
「男性が多い職場というイメージがあるけれど、女性は働きやすい?」
「キツイ・ツライ・大変と聞くけど実際は?」
女性に人気の事務職だからこそ、このような疑問や悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
そういった疑問に、SEから建設業界の事務員に転職した、事務員たなかがざっくばらんにお答えします。
この記事を書いた人
事務員たなか(@tanaka_kodozimu)
建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
この記事はこのような人におすすめ
①一般事務の求人を探している人
②事務員として働きたいけど業界を迷っている人
③子供が大きくなって再就職しよう考えている人
新たな業界に就職しようとすると不安も大きいですよね。 競争率の高い一般事務職で就職を考えている方にとって、業界を広げることは非常に重要です。 転職や就職で事務仕事を希望している方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしていただきたいです。
事務員たなか
以下は、たなかも利用したおすすめの転職サイトとエージェントです。
よろしければ、参考にしてください。
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目次
事務員とは
建設業界事務員の仕事を紹介する前に、事務員についておさらいしましょう。 事務員とは、オフィスの中で書類の作成や電話応対、来客対応等の業務を担う人員です。 事務員にもいろいろな種類があり、一般事務・営業事務・経理事務・人事事務等多種にわたり、企業の活動に必要不可欠な存在と言えます。
事務の種類 | 内容 |
---|---|
一般事務 | 書類の作成やファイリング、来客対応、郵送物の処理等。 部署に関係なく幅広い分野の仕事を担当する。 |
営業事務 | 見積書や注文書・請求書の作成等、営業職のサポートを担う。 |
経理事務 | 日々の出入金管理や、伝票仕訳等を行う。 経営に関する数字の管理や給与計算を行うこともある。 |
総務事務 | 社内規定の作成や備品の管理を行う。 社内イベントを企画する場合もある。 |
人事事務 | 主に採用・雇用の仕事を担当する。 優秀な人材に応募してもらう為の企画や販促活動を行います。 入社した際のサポートや教育を行う場合もある。 |
こちらにあげただけでもたくさんの専門的な事務作業がありますね。 会社によっては、このように職種を明確に分けていない会社もあります。事務職の仕事を探している方は、 説明会や面接等で、どのような業務を担当するかきちんと確認したほうが良いと思います。
建設業事務員ってどんな仕事?
さて、それでは建設業の事務員に焦点をあててみましょう。
人事部や総務部といったように、専門的な部署に人員を割けない中小規模の会社は、部署に関わらず広範囲の仕事を覚えなければならないのが現状です。
従業員数10名以下の小さな会社で働く私も、経理・総務・人事作業を満遍なく担当しています。
明確にこの仕事がしたい!という希望がなく、「オフィスワークがしたい。」「椅子に座って事務作業がしたい。」という方は、求人情報で事業の規模や担当する仕事内容もじっくり確認しておくことが重要です。
それでは、実際私が行っている仕事例を挙げながら
解説していきます。
建設業事務員の経理作業
基本的な経理作業については、他の一般事務員と変わりありません。
工事で使用する材料の仕入れを行った場合は、納品書に基づき会計システムへ入力します。毎月末には、仕入を行った取引先に対し、支払処理(銀行システムで振込予約)を行うという流れです。また、売り上げに関しても同様で、工事完了後に請求処理(郵送で請求書を送る)を行っております。これは、どの業種の企業に勤めても同じですね。
※2024年5月15日追記
2023年10月から始まったインボイス制度に伴い、請求処理は月1回締め日に送付するといった対応に代わりました。消費税額の端数処理は「1インボイスにつき、税率ごとに1回」という仕組みに変更された為で、工事毎に請求書を送ることはなくなり、この仕事に関しては若干作業量は減りました。(その他の作業は増えていますが…)
※2024年5月15日追記おわり
給与計算については、システムを使わずにエクセルのツールを使用して、給与計算、明細を出しております。ここは会社の規模によっても大きく異なるところもしれません。
システムを使用すると年末調整や賞与の計算が大幅に短縮されると思いますので、従業員が多い会社の経営者の方は、システムの導入を検討するのも良いでしょう。
建設業事務員の経理作業
①仕入れ時の支払処理(システムへの入力等)
②工事完了時の請求処理
③給与計算・給与支払い
流れはこのような形ですが、会社によって、会計システムを利用するか?手書きなのか?エクセル等で計算するのか?は千差万別です。気になるようでしたら、入社の前にどのように行っているのか確認したほうが良いと思います。
建設業事務員の人事作業
建設業界は高齢化による人手不足の問題を常に抱えており、常に人員を募集している会社が多いです。 求人を募集する為、各就職サイトへの手続き作業を行ったり、会社見学時の資料の作成や、説明会のプレゼン作成等も業務の一環となります。 また、社員が入社・退社した際は、社会保険や雇用保険等の事務手続きを行う必要があります。このあたりは総務の役割になる場合もありますので、会社の方針を確認しましょう。
建設業事務員の人事作業
①求人サイトへの登録
②会社見学・説明会の準備
③社会保険や雇用保険等の手続き
建設業事務員の総務作業
日々の業務では備品の管理や発注等を行います。
営業事務のカテゴリに分類されるかもしれませんが、工事の見積書を作成したり、材料の発注を行う事務の方もいらっしゃるかもしれません。
また、建設業特有の仕事として、安全書類の作成を行う事務の方もいます。
安全書類とは、建設現場の安全対策に必要な書類の総称です。
現場に出る作業員の名簿を作成したり、社会保険関連の書類をまとめてお客様先や元請企業に提出するもので、工事毎に作成する必要があります。
私も現在、安全書類の作成を担当していますが、非常に時間のかかる作業です。
現場担当者や作業員が作成する場合もありますので、一概に事務員が作成するとは限らないのですが、建設業の事務員を希望している場合は、「安全書類」という言葉を覚える必要があると思います。
詳しい情報が知りたい方は、下記記事をご覧ください。
建設業事務員の総務作業
①備品・材料の管理・発注
②見積書作成
③安全書類の作成
ここまで見て頂いたように、事務員という仕事はカテゴライズするのが非常に難しく、会社によって担当する仕事が大きく変わってきます。もし気になる求人があって「一般事務」と記載されている場合は、具体的にどのような仕事なのか確認しましょう。
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建設業事務員のメリット
建設業事務の仕事内容が分かったところで、この仕事のメリット・デメリットを、建設業事務員として働く事務員たなかが、お答えします。
建設業事務員のメリット
- 休日・残業をコントロールしやすい
- パソコンスキルが身に付く
- 未経験から挑戦しやすい
- 男性が多い分、気遣われる
1.休日・残業をコントロールしやすい
決算時期や年末調整時期等の繁忙期はもちろんありますが、基本的に他の職業より休日・残業をコントロールしやすい傾向にあります。
建設業事務員にとって大きな要となるのが、支払処理と請求処理、そして給与支払いなのですが、支払処理は届いた請求書を元に銀行にて日付指定の振込予約を行えばよいですし、請求処理も取引先の締め日までに請求書を送れば良いのです。給与の支払いも計算さえ事前にしておけば、あとは振込予約をするだけですので、休みたい日があれば事前に連絡していれば自由に休めます。また、緊急に対応しなければならない仕事というのもほとんど入ってこないため、残業が発生する可能性も低いです。
私も子ども二人を保育園に預けながらフルタイムで働いて5年になりますが、周りの方の助けもあり、何とか業務に支障をきたさず働き続けています。
小さいお子さんがいる方や、共働きをしている方に非常におすすめの仕事です。
ただし、現場事務所で働く事務員さんはすこし状況が違うかもしれません。
作業員の方が頻繁に出入りする中で、細々とした業務が日々発生する可能性があるので、作業員が日中現場に出払っているような事務所で働くのが良いかもしれません。
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2.パソコンスキルが身に付く
幅広い業務を担うことで、基本的なビジネススキルが身に付きます。電話応対や来客対応もたまにしますので、コミュニケーション能力も身に付きます。また、日々の業務で使用する文書作成ソフトや表計算ソフト等のスキルは、汎用性が高く、どのような会社でも通用することが多いです。
子どもが小さいうちは時間の融通が利く一般事務員として働き、大きくなったらキャリアアップしたいと考えている方にとっても、事務員として働いた経験が大きな財産になるでしょう。
3.未経験から挑戦しやすい
「doda」や「リクルートNEXT」で事務職の求人を見てみると、必須資格がない求人が多く、他業種からの転職や未経験の人が挑戦しやすい職種といえます。
とはいえ、パソコンが全く使えない、表計算ソフトを使ったことがないという方は他職種での採用も難しくなっている世の中なので、Officeのマニュアル本を一冊読みながら、実際にパソコンに触れて慣れるところからはじめましょう。
↓ パソコンに自信のない方は、まずはこちらの本をおすすめします。
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経理志望の方は、簿記2級や、建設業経理士という国家資格もありますので、勉強してみるのも良いかもしれません。特に建設業経理士は、2級以上から経営事項審査の加点対象となりますので、採用時に有利になります。
私も経理・簿記未経験から半年で建設業経理士2級を取得しました。
日商簿記の2級よりも難易度が低いと言われており、かなりコスパの良い資格だと思います。
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4.男性が多い分、気遣われる
建設業関連の会社は、間違いなく男性が多いです。少子化による人材不足や社会情勢の観点から、女性の入職も推進されていますが、未だ8割以上が男性という実情です。 これをどう捉えるか。 男性が多くて怖い・不安といった方もいるかもしれませんが、前職のSE、現職の建設業の事務員と、男性の多い職場で働いていて、怖い目にあったということはまず一度もありません。 逆に、女性が少ないので貴重に扱われることが多いということを知って頂きたいです。 どうしても、来客対応やお茶出し等の作業は女性がおこなう場合が多いのですが、それを除けば、重い荷物を運んでもらったり、汚れ作業を変わってもらったり、男性特有の気さくさで人間関係が楽だったりとメリットが多いです。 また、私の会社のような中小規模の会社だと、作業員は日中現場に出向いている場合が多く、事務所に一人、自分のペースで働けるということも大きなメリットと言えます。
建設業事務員のデメリット
建設業事務員のデメリット
- 業務が単調でルーチンワークが多い
- 努力が評価されづらい
- 清潔感のある環境かの見極めが難しい
1.業務が短調でルーチンワークが多い
基本的に日ごと、月ごと、年ごとのルーチンワークがほとんどです。業務に慣れてくると手持無沙汰になることもあり、空き時間をどのように使うかがキーポイントになります。スキルアップの為に資格の勉強を行ったり、Excelでマニュアルを整備したりという自主的に学ぶ人にとっては、むしろメリットとなる可能性もあります。
クリエイティブな仕事がしたかったり、毎日異なる人との関わりあいを求める人にとっては、退屈な仕事になるかもしれません。
2.努力が評価されづらい
前述のルーチンワークに付随して、直接利益に関わる仕事をしているわけではないので、どうしても程評価されづらいという問題が付きまといます。
私も事務職についてしばらくは、自分のやっていることが正当に評価されているのかと悩みましたが、自分の得意なところを活かしてアピールすることで少しずつではありますが評価へと繋げることができました。
中小規模の会社だと特に、個人の実績よりも会社の売り上げが給与に反映されてしまうことが多いので、給与があがらない=評価されていないというわけでもありません。他の仕事でもそうですが、評価に意識を向けすぎると仕事自体がしんどくなっていきますので、やるべきことさえやって、あとは自分のスキルアップに余った時間を使うという意識の方が長く続けるコツかもしれません。
3.清潔感のある環境かの見極めが難しい
女性にとって働く環境は非常に重要なのではないでしょうか。現場事務所ですと、プレハブで仮設トイレしかないといった場合も多いので、そういった場所に抵抗がある方は、応募を控えた方が良いです。 きちんとした事務所があり、内勤の募集をしている企業もたくさんあります。そういった職場を求人票から見極めたり、実際に足を運ぶのも良いかもしれません。
まとめ
いかかでしたでしょうか。 建設業事務員の、キツイ・大変・ツライといったイメージは変わりましたか? 上記のように世間が建設業に対してマイナスのイメージを持っている間に、競争率の高い事務員の仕事を勝ち取るというのも、一つの手ではないかと私は思います。事務という仕事は、「子育て中で残業はできないけど、正社員としてフルで働きたい。」「土日祝日休みの仕事がしたい。」といった女性にうってつけの仕事です。 キャリアと育児の狭間で悩んでいる子育て世帯の多くの女性に、是非ひとつの選択肢として「建設業の事務員」を考えて頂ければと思います。
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