【安全書類】適正配置通知書の書き方を徹底解説!高血圧・低血圧の考慮すべき作業例とは

  • URLをコピーしました!

※こちらの記事は広告を利用しています

建設現場における「適正配置通知書」の作成は、安全管理の重要な一環です。特に高血圧や低血圧を抱える労働者の適正配置を行う際には、リスクを正確に把握し、適切な対策を講じることが求められます。

本記事では、適正配置の概要から適正配置通知書の記入例、高血圧・低血圧者の考慮すべき作業まで徹底的に解説します。

事業者は、労働者の安全と健康を守る責任を負い、労働安全衛生法に基づき適切な措置を講じる必要があります。この記事を通じて、職場の安全管理をさらに強化し、安心で安全な職場環境を築いていきましょう。
記事のポイント
  • 適正配置とは
  • 適正配置対象者は誰?
  • 適正配置通知書の書き方
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)


建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
目次

適正配置について

  1. 適正配置とは
  2. 「作業特性の把握」と「作業者の特性の把握」
  3. 建設業における適正配置対象者
  4. 高血圧・低血圧労働者の適正配置

適正配置とは

「適正配置」とは、労働者の技能や健康状態を十分に考慮し、それぞれの作業環境や作業内容に最適な人員を配置することを指します。これは、労働安全衛生法第65条の3に基づき、事業者が労働者の健康に配慮し、作業を適切に管理することを努めることを目的とした取り組みでもあります。

この適正配置は、労働者の安全と健康を守るだけでなく、作業効率を最大化し、職場全体の生産性や品質を向上させるうえで重要な役割を果たします。
(作業の管理)
第六十五条の三 事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。
労働安全衛生法 第六十五条の三
建設業においては、安全で効率的な工事を実現するため、作業内容に最適な作業者を配置することが欠かせません。ただ作業者を割り振るのではなく、「作業特性」と「作業者の特性」という2つの側面を十分に考慮し、適切な配置を行うことが求められます。

「作業特性の把握」と「作業者の特性の把握」

適正配置を効果的に実施するためには、大きく分けて「作業特性の把握」と「作業者の特性の把握」の2つの側面を考慮する必要があります。
作業特性の把握
  • 作業環境(高所作業・屋内・屋外作業他…)
  • 作業条件(作業時間・作業方法・難易度…)
  • 作業種類(危険作業・難易度・設備状態…)
  • 工期・工程(短期間作業・急ぎの作業…)
作業者特性の把握
  • 性別
  • 年齢
  • 業務経験
  • 資格
  • 労働能力(知識・体力・技能・態度)
  • 心身状態(血圧・持病・アレルギー…)
作業特性の把握とは、職場での作業内容や作業場所の条件、環境を正確に分析し、それぞれの作業に求められる要件を明確にすることを指します。たとえば、高温多湿の環境や高所作業、重労働、急ぎの作業など、作業の特性に応じたリスクや負担を考慮することが重要です。

一方、労働者の特性の把握とは、作業者一人ひとりの技能や経験、資格、健康状態、年齢、性別などを評価し、それぞれの作業に適した人員を選定することを指します。高所作業や重機操作といった高度な技能が求められる作業には、十分な経験や適切な資格を持つ労働者を配置することが重要ですし、高血圧や低血圧、慢性疾患などの健康リスクがある場合は、労働者に過度な負担がかからないよう、作業内容や条件を適切に調整する必要があります。

これらの要素を正しく評価することで、過度な負担を避け適切な配置が可能になり、安全かつ効率的な作業を行うことができるのです。

建設業における適正配置対象者

建設業では、高所作業や重機の操作、危険物の使用など、危険を伴う作業が多いため、安全対策が特に重要視されています。安全で効率的な作業環境を構築するため、特定の条件に該当する労働者について適正配置が行い、元請会社より報告を求められる場合があります。

こうした労働者は、作業内容や環境におけるリスクを特に考慮すべき「適正配置対象者」として位置づけられ、安全書類の中で「適正配置通知書」や「就労報告書」の提出を求められるケースが多くあります。
建設業における主な適正配置対象者
  • 高齢者
  • 年少者
  • 女性労働者
  • 疾病を抱える労働者

高血圧・低血圧労働者の適正配置

建設業における適正配置では、特に「健康状態」が重要な要素となります。建設現場では、重労働や野外作業が頻繁に行われるため、体調不良や意識障害が労働災害や重大な事故につながるリスクがあります。

血圧値に関しては、法律で明確な基準が定められていないため、適正配置の具体的な判断は、事業者や元請企業の裁量に委ねられる場合が多いです。こうした判断を行う際には、労働者の健康診断結果や医師の意見を参考にし、それぞれの健康状態に応じた対応を取ることが求められます。
事務員たなか

高血圧の定義を
最高:160mmHg以上、最低:95mmHg以上
としているところもあれば、
最高:160mmHg以上、最低:100mmHg以上
としているところもあります。あくまで目安というわけです。

高血圧・低血圧労働者の考慮すべき作業例

高血圧の労働者は、重労働や高温下での作業によって血圧が上昇し、脳卒中や心疾患のリスクが高まる可能性があります。一方低血圧の労働者は、立ちくらみやめまいを起こしやすく、特に高所作業や機械操作中に危険が伴います。このようなリスクを軽減するためには、以下の作業を考慮する必要があるでしょう。
高血圧労働者の考慮すべき作業例
  • 高温多湿環境での作業
  • 高所作業
  • 危険物取り扱い作業
  • 長時間の重労働
  • 高ストレス作業
低血圧労働者の考慮すべき作業例
  • 高所作業
  • 危険な機械操作
  • 長時間の立ち作業
  • 深夜作業や夜勤
  • 体力負荷が高い重労働
事務員たなか

こちらはあくまで一例です。
作業員本人と事業者双方の確認が必要で、高血圧・低血圧だからといって絶対にその作業を行ってはならないという決まりはありません

事務員たなか (ゲンドウ風)

元請会社によっては、適正配置された労働者がリスクを伴う作業を行う場合、監視役を配置するなどの対策を講じるケースもあります。

適正配置通知書の書き方

適正配置通知書は、高齢者や疾病を抱える方など、適正配置対象者の健康状態や作業内容を元請企業や発注者に報告するための書類です。多くの場合、安全書類の一部として含まれており、対象者がいる場合には記入して提出する必要があります。

なお、適正配置通知書には統一されたテンプレートが存在せず、元請企業や現場ごとに提出の有無やフォーマットが異なるのが特徴です。
事務員たなか

「適正配置通知書」「適正配置報告書」「就労報告書」等
書類名も様々ですが、内容はほとんど同じです。


ここでは、適正配置通知書の一般的な例を挙げ、作成時の基本的なポイントを解説します。具体的な記載例を参考に、現場の要件に応じた内容を適切に記入してください。

作業所情報の記入

  1. 作業所名
  2. 所長名

作業所名

作業所名には、「工事を行う作業所名」や「工事名称」を記載します。
記入例
  • 〇〇〇管内 道路改良工事
  • △△△ビル 新築工事
  • ×××浄水場 ポンプ分解整備

所長名

所長名には、元請会社の現場代理人を記載します。
事務員たなか

作業所名と所長名は、元請会社の情報を記載する部分なので、
元請企業から書類渡された時点で、既に記入されている場合も多いです。

自社情報の記入

  1. 会社名・事業者ID
  2. 事業主名

会社名・事業者ID

自社の会社名を記入します。

事業者IDには、建設キャリアアップシステムの事業者IDを記載します。
事業者IDは14桁の番号です。建設キャリアアップシステムにて事業者登録した際に、ハガキやメールで通知が来ていると思うので、確認してください。

登録していない場合は、記載不要です。

事業主名

自社の代表者の名前を記入します。

適正配置対象者の記入

  1. 氏名
  2. 年齢
  3. 血圧測定値
  4. 通院中の有無
  5. 服薬の有無
  6. 考慮すべき作業

氏名

適正配置対象者の名前を記入します。
こちらの書類では、高血圧:最高血圧160mmHg以上または最低血圧95mmHg以上、または、低血圧:最高血圧100mmHg以下または最低血圧60mmHg以下の方が対象です。
事務員たなか

基準は元請企業・発注者によって変わりますので、注意してください。

年齢

適正配置対象者の年齢を記入します。

血圧測定値

直近の健康診断結果から、血圧値の最高値~最低値を記入します。

通院中の有無

血圧に関して病院に通院している場合は『有』、通院していない場合は『無』を記入します。

服薬の有無

薬を服用している場合は『有』、服用していない場合は『無』を記入します。

考慮すべき作業

考慮すべき作業を具体的に記入します。
考慮すべき作業とは、適正配置対象者の健康状態や心身に影響を与える可能性が高く、労働災害や大事故につながるリスクがあるため、避けるべき作業のことを指します。

考慮すべき作業がない場合は『特になし』と記入しても問題ありませんが、医師や事業者と相談の上で決定することをお勧めします。
考慮すべき作業例
  • 高温多湿環境での作業
  • 高所作業
  • 危険物取り扱い作業
  • 危険な機械の操作
  • 長時間の重労働
  • 高ストレス作業
  • 重量物を運ぶ作業
  • 著しく暑いところでの作業
  • 著しく寒いところでの作業
事務員たなか

適正配置通知書の書き方は以上です。

グリーンサイトでも適正配置通知書の提出が求められます。詳しくはコチラ!

総括:【安全書類】適正配置通知書の書き方を徹底解説!高血圧・低血圧の考慮すべき作業例とは

建設業における適正配置は、労働者の技能や経験、健康状態を考慮し、安全かつ効率的な作業環境を構築するための重要な取り組みです。特に健康状態に関しては、高血圧や低血圧といったリスクを抱える労働者に対し、適切な作業内容の割り当てや作業環境の調整を行うことが求められます。法律で明確な基準が定められていない部分も多いため、事業者や医師と相談し決定する必要があります。

適正配置は、職場の安全性と生産性を向上させる鍵であり、企業全体の信頼性を高める重要な施策です。

 コドじむは、安全書類の作成代行をはじめました! /

  •  安全書類に時間を取られて時間がない!
  •  事務員を雇うとコストもリスクもかかる!
  •  建設キャリアアップシステムもグリーンサイト分からない!

▼ ▼ ▼

面倒な安全書類は外注して、工事作業に専念しませんか?

\ 作業員名簿3,500円~今ならWeb相談無料! /

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次