「グリーンファイルって無料なの?」「グリーンサイトとは違うの?」建設業界で安全書類の電子化が進む中、Greenfile.work(グリーンファイル)に関するこんな声をよく耳にします。
特に中小企業や一人親方の方は、いろいろな安全書類のWEBシステムが混在していて、どれがどれなのか分からないというケースも少なくありません。
本記事では、そんな混乱を解消すべく、グリーンファイル(=Greenfile.work)の基本的な仕組みや登録・ログインの方法、費用体系、他システムとの違いまでを、わかりやすく整理しました。
これから導入を検討している方や、元請から「使ってほしい」と言われたけどピンと来ていない方にもおすすめの内容です。
記事のポイント
- グリーンファイルとは
- グリーンファイルは無料?
- グリーンファイルとグリーンサイトの違いは
- 結局どの安全書類電子システムを使えばよい?
この記事を書いた人

事務員たなか(@tanaka_kodozimu)
建設業事務員のたなか(@tanaka_kodozimu)です。
元SEで安全書類作成をメインに、経理・総務・人事・IT土方なんでもやっています。
子ども二人の限界主婦。事務作業や子育てが少しでも楽になる情報を発信しています。
目次
グリーンファイルは本当に無料?仕組みと他システムとの違いを徹底解説

- グリーンファイルとは?(Greenfile.workの基本)
- グリーンファイルは無料で使えるの?
- 登録・ログイン方法|はじめてのグリーンファイル利用手順
- 他システムとの違い|グリーンファイルとグリーンサイトは何が違う?
- 中小企業・一人親方向け整理|どのシステムを使えばいい?
グリーンファイルとは?(Greenfile.workの基本)

「グリーンファイル」とは、建設現場で使用される安全書類を電子化して作成・管理できるクラウドサービスのことです。正式名称は「Greenfile.work(グリーンファイルワーク)」で、元請企業と協力会社が、施工体制台帳や作業員名簿などの各種書類をWEB上で効率的にやり取りできるように設計されています。
2025年7月時点で登録企業数は26万社を超え、多くの企業で採用されていることがわかります。
紙の書類作成やファイリング作業にかかる手間と時間を大幅に削減できるのも大きな特長で、全国の建設現場で導入が進んでいます。
グリーンファイルでは、以下のような機能が利用可能です。
グリーンファイルの機能
- 施工体制台帳等の書類を自動作成
- 書類は全建統一様式に対応
- ペーパーレス(提出・受領もすべてWEB上で)
- 入退場管理
- CCUS(建設キャリアアップシステム)との連携
建設現場で必要とされる安全書類は膨大で、しかも元請企業によって書式やテンプレートが異なることも多く、下請企業にとっては大きな負担となってきました。
グリーンファイル(Greenfile.work)を利用すれば、従業員情報や企業情報といったマスターデータを一度登録しておくだけで、施工体制台帳などの各種書類を自動で作成してくれます。この自動化機能により、入力の手間やミスを大幅に削減できる点は、導入する大きなメリットのひとつです。

最初の登録には時間がかかりますが、
書類作成にかかる時間は半分以下になりました
グリーンファイルは無料で使えるの?


「グリーンファイルって無料で使えるんですか?」という質問は、建設業界で非常によく聞かれます。結論から言うと、無料で使えるのは協力会社側のみで、元請企業は契約が必要=有料となっています。
協力会社は「完全無料」
協力会社としてグリーンファイルを利用する場合、元請企業から招待を受ければ、ID発行から書類作成・提出まですべて無料で利用できます。初期登録やログインの手間も少なく、はじめての方でも簡単に導入できるのが魅力です。
書類の作成は、従業員情報等のマスターデータをあらかじめ登録しておけば、各種安全書類に流用できる仕組みとなっています。提出後も元請企業とリアルタイムで確認・修正のやり取りが可能なため、紙でのやり取りに比べて圧倒的に効率的です。
元請企業は「有料プラン契約が必要」


一方で、元請企業がグリーンファイル(Greenfile.work)を利用する場合は、契約が必要となり有料です。利用を始めるには、まずGreenfile.workの運営会社と契約を結び、初期費用および月額料金が発生します。
料金プランの詳細は公式サイト上で明記されておらず、利用規模や機能の範囲に応じて個別に見積もりを取るスタイルとなっています。これは、企業ごとに運用体制や求める機能が異なるため、柔軟に対応するための仕組みです。
ただし、契約後はIDの発行数に制限がなく、協力会社を何社招待しても追加料金は不要となっており、従来のID課金型サービスに比べて導入しやすい料金体系になっています。
さらに、CCUS(建設キャリアアップシステム)との自動連携機能や、iPhone、iPadでの顔認証入退場管理も可能で、現場のデジタル化・効率化を強力にサポートしてくれます。



グリーンサイトと違い、「協力会社=無料」というのが、
中小企業の我々にとって大きいですね!
グリーンサイトとグリーンファイルの違いについて詳しくはコチラ!
登録・ログイン方法|はじめてのグリーンファイル利用手順


グリーンファイル(Greenfile.work)の利用を開始するには、まずアカウントを作成する必要があります。ただし、元請企業と協力会社で登録の入り口が異なるため、それぞれの流れを確認しておきましょう。
元請企業の登録方法
元請企業が初めて導入する場合は、Greenfile.workの公式サイトから利用申し込み(問い合わせ)を行い、運営会社と契約を結ぶ形になります。契約が完了すると、管理用のIDが発行され、組織情報や支店・営業所の情報などを設定することができます。
この初期設定が済めば、あとは協力会社に招待リンクを送ることで、各社がそれぞれログイン・登録できる仕組みとなっています。
協力会社の登録・ログイン方法
協力会社は、元請企業から送られてきた招待メール内のリンクから、無料でIDを取得し、登録・ログインすることができます。
ログインは、Google Chromeなどのブラウザ上で行うことができ、専用アプリのダウンロードは不要です。クラウド型のサービスなので、オフィスでも現場でも自宅でも柔軟にアクセスできるのが魅力です。
登録後は、作業員名簿や保険情報などの「企業情報」を入力し、元請企業から指定された現場ごとの安全書類をテンプレートに沿って作成・提出する流れになります。
他システムとの違い|グリーンファイルとグリーンサイトは何が違う?


グリーンファイル(Greenfile.work)を調べていると、「グリーンサイト」や「ビルディー」ど、似たような名称のシステムを目にすることがあります。これらはすべて安全書類をWEB上で作成・提出するシステムですが、システムによって料金体系やサービス・操作性等も異なります。
グリーンファイル(Greenfile.work)の特徴
- 元請企業は契約制(有料)、協力会社は無料で利用可能
- 安全書類の自動生成・管理に特化したクラウドサービス
- CCUSと標準で連携しており、就業履歴の確認も可能
- 顔認証付き入退場管理など、現場ニーズに応じたオプション機能が拡張できる
グリーンサイトの特徴(建設サイトシリーズ)


- 元請・協力会社いずれもIDごとに課金が発生
- 書類のやり取りだけでなく、入退場管理・データ分析機能も装備
- 元請の現場管理機能が充実しており、大手ゼネコンを中心に導入実績多数
- 顔認証、ICカード連携なども利用可能
グリーンファイルと並んでよく比較される「グリーンサイト」は、建設業界でもっとも多くの現場で利用されているといわれる業界最大手のシステムです。
実際、2024年時点での登録企業数は88万社を超えており、特に大手ゼネコンを中心にグリーンサイトを導入しているケースが増えています。そのため現場では、「安全書類はグリーンサイトで提出してください」と元請企業から指定されることが圧倒的に多いのが実情です。
中小企業・一人親方向け整理|どのシステムを使えばいい?


グリーンファイル(Greenfile.work)やグリーンサイトといった安全書類の電子システムが広まる中、特に中小の建設会社や一人親方の方からは、「結局どれを使えばいいのか分からない」という声が多く聞かれます。
現場では「グリーン」と名のつくシステムが複数存在しており、それぞれ機能や料金体系が異なるため、混乱しやすいのも無理はありません。
安全書類の提出方法は、基本的に元請企業の指示に従うのが前提です。「この現場はグリーンサイトで提出してください」と指定された場合、たとえ自社がグリーンファイルに慣れていても、そのルールに従わなければなりません。自社の都合で自由にシステムを選べるわけではないということです。
これらのシステムは、ITが苦手な方や書類作成に不慣れな一人親方でも扱いやすい設計になっていますが、現場ではスピード感が求められる場面も多くあります。早めに基本操作に慣れておくことで、突然の依頼にも落ち着いて対応できるでしょう。
また、中小企業や一人親方にとって、すべての機能を完璧に使いこなす必要はありません。しかし、最低限の対応力を備えておくことで、元請との信頼関係を築きやすくなり、継続的な受注にもつながるという大きなメリットがあります。



結局は元請企業さんが何のシステムを利用しているかによるんですね。
総括:グリーンファイル無料で使えるって本当?費用の仕組みや協力会社・元請による違いをわかりやすく解説
グリーンファイル(Greenfile.work)は、協力会社が無料で使える利便性の高いシステムですが、元請企業は契約が必要な有料サービスであり、グリーンサイトなど他の類似システムとの違いを正しく理解しておくことが重要です。
特に中小企業や一人親方の立場では、「あれもこれも対応しなければ」と不安になることもありますが、まずは以下のポイントを押さえておけば大丈夫です。
- 元請の指示に応じて、適切なシステムを使い分ける
- グリーンファイルは協力会社側なら無料で始められる
- 書類作成の基本操作に早めに慣れておくと安心
- すべての機能を使いこなす必要はなく、最低限の対応力で十分
グリーンファイルは、コストをかけずに電子化を始めたい企業にとって心強い選択肢です。一方で、グリーンサイトのように業界全体で広く使われているシステムにも対応できる柔軟性も求められます。
まずは自社の立場や関係先の方針を確認しながら、「知っている」「使える」状態を少しずつ広げていくことが、これからの現場対応をスムーズにするカギとなるでしょう。
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